Q イスラエルとハマスの紛争…これまでの衝突と、一体何が違うのでしょうか?
パレスチナ自治区のガザ地区を支配するイスラム武装組織「ハマス」と、イスラエルの大規模衝突についてお聞きしたいです。「戦闘の規模が大きく、イスラエルが受けた攻撃としては50年前の第4次中東戦争以降、最大規模ともされる」というニュースを見ました。日々死者の数が増え続け、痛ましい気持ちが募りますが、なぜこれほどまでに大規模な衝突となっているのでしょうか。(60代・女性・自営業)
A 「これはユダヤ人絶滅を図る攻撃だ」というのがイスラエル政府の受け止め方です
痛ましい映像が連日飛び込んできますね。今回ハマスがイスラエルを攻撃し、1400人もの一般住民が虐殺されたことは、イスラエルの国民に大きな衝撃を与えました。
日本国内ではなかなか見られませんが、イスラエル国内では政府が虐殺された人たちの遺体の写真を公開しています。まだおむつをしたままの乳児の遺体や一家が抱き合ったまま黒焦げになっている写真は、ナチスドイツによるユダヤ人虐殺を想起させるのです。
「これはイスラエルに対する攻撃ではない。ユダヤ人絶滅を図る攻撃だ」というのがイスラエル政府の受け止め方ですから、「ユダヤ人の存続をかけた戦い」なのです。そこには停戦の選択肢はありません。
《池上彰 緊急寄稿》イスラエル・ハマス戦争の衝撃「私が歩いたガザの悪臭と絶望」