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《埼玉本庄5歳児虐待死》判決は懲役13年!“死を呼ぶペテン師”石井陽子は、別のシングルマザーも狙っていた「一歩間違えば私も同じ立場に…」

《埼玉本庄5歳児虐待死》判決は懲役13年!“死を呼ぶペテン師”石井陽子は、別のシングルマザーも狙っていた「一歩間違えば私も同じ立場に…」

埼玉本庄5歳児虐待死公判#12

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会

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クレカの債務200万円に対し、総額400万円以上搾取

 その一方で、石井は仕事が長続きしない丹羽から、生活力のあるBさんに乗り換えようとしていた。

「石井は『C子と別れたら私と結婚するのはどう?』と持ち掛けてきました。実家が大金持ちだと吹聴していた石井は、『私と結婚したら東京都が24区になるよ』と訳の分からないことも言っていました」(同前)

 Bさんは、石井と丹羽から「投資詐欺に遭った」と土下座して泣きつかれた借金トラブルを機に、2人とは疎遠になっていく。他方で石井は、シングルマザーになったC子さんに同居を提案しつつ、“寄生”を続けていたのだ。

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「C子は僕と結婚していた時、石井に『ポイントを溜めてあげる』と言われ、クレジットカードを貸して、そのままになっていたんです。その事実は、石井たちが逮捕されてから初めて知りました。歩夢くんを埋めた後、ケーキを持ってC子を訪ねたのも、カードを返せと言われないため、ご機嫌取りに行ったんでしょう。逮捕時にクレカの債務は200万円あり、C子がたかられた総額は400万円以上になるようです」(同前)

現在の事件現場。地中からは歩夢くん(当時5歳)の遺体が発見された ©文藝春秋

「お世話になった恩義も感じていましたし、『私が何とかするから大丈夫』と、何かと親身になってくれる石井さんのことは、すっかり信用していました。歩夢くんの事件を知って、ようやく目が覚めました」(C子さん)

父は大社長、祖父は道場六三郎の師匠…友人も言葉巧みに騙し続けた

 幸いなことに、実家を勘当状態だった知香とは違って、離婚後に実家に戻っていたC子さんは、石井に絡め取られる事態を回避していた。

柿本知香被告と歩夢くん(柿本のフェイスブックより)

 振り返れば、名前と実年齢、経歴を偽って丹羽と交際していた石井は、侵食した丹羽の友人たちも言葉巧みに騙し続けていた。年齢は20歳若くサバを読んでいたが、「老けて見えるとしたら、白血病の治療をした時の副作用のせい」と、先に予防線を張る。カラオケに行けば「母が好きだった」と釈明しつつ、同年代の中森明菜を熱唱した。

「フェリス女学院を出たお嬢様で、実家は広尾ガーデンヒルズ。父は会社をいくつも経営する大社長でプライベートジェットを所有していると。実際、僕らを広尾ガーデンヒルズの近くまで連れていき、『あの守衛さんは子供の頃から知っている。挨拶してくるから待ってて』と敷地内に入っていったこともありました。ホテルニューオータニの高層レストランを『昔からよく使っている』と利用したり、西武百貨店の商品券を大量に持っていたり。料理人だという祖父は道場六三郎の師匠だったといい、料理の腕だけは確かでした。こなれた様子で築地市場を案内されたこともありました」(Bさん)

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