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「MITSUさんの存在は旦那さんも、カムアウトする前から知ってたんです。MITSUさんが東北で被災をしたので、『困ってるからちょっと相談に乗ってあげたい』とか言っていたので。『あの子が大阪に引っ越して来るんだって』とも伝えていました。まずは三つぐらい離れた駅のところに引っ越してきて、一緒に遊びに行ったりする頻度が多くなって。それで近くに引っ越してきて、旦那がいる家に来るようになってみたいな。だから、MITSUさんが特別な人なんだとは、カムアウトと同時に伝えました」

 Kisaraさんによれば「旦那さん」は、実用的なものを重んじるタイプの人なので、実害がないものは受け入れるのだという。

「今は、うちの家庭の夫婦と子供と、彼女と彼女のパートナーの5人で遊んだり、5人でご飯食べたりとかするぐらいには、仲がいいという感じですね。旦那さんも、彼女に馴染んできてるし。彼女に構っている時の彼女のパートナーも、すごく可愛いなあと思っていたりします。子供も彼女にすごいなついてますね。

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 私も子供には、『好きな人は、いっぱいいていいんだよ』『家族は、増えてもいいんだよ』とか言ってますね。あとは、『MITSUさんのところに子供が産まれたら、一緒にお世話しに行こうね』って言ってます。旦那さんも子供が好きなので、家に連れてきたら一緒に遊ぶと思います」

mixiが重要なプラットフォームだった

 mixiは、若い頃のKisaraさんにとって、重要なプラットフォームだった。

「当時、『ポリアモリー』とか『浮気を怒らない党』というコミュがあったんです。ははは。そのあたりが、関西のポリーコミュニティの始まりだと思います」

 2ちゃんねるや新宿二丁目などでなく、どうしてmixiが、ポリーコミュニティの重要地点になったのか。

「まず、日記が書けたからですかね。細かく自分のことを説明したり、なんかこんな人だよって言えたりする。2ちゃんねるではそれはできないですよね。あと、二丁目とかは、楽しむために行ったりすることが多いので。意外とああいうところで深い話はしなかったり。LGBTのコミュニティも、場所によってはモノ規範が強いとも感じます。ポリアモラスな発言ができる場所自体は本当に限られていたと思いますね。その点mixiだと、自分たちでコミュも作れるので」

 そんなKisaraさんは、ポリーラウンジだけでなく、ポリバケツというイベントを主催した。

「いろんな人が誰でもきていいよって意味で、ポリバケツという名前にしたんです。変態と言われようが、人間のクズだって言われようが、一緒のところで仲よく喋ろうよって。ここは、モノ規範がない場所だから、おいでって。そういうスペースがあんまりないので、自分もそういう場所で楽しみたいなって思ったんですね。サークル活動みたいな感じです。バケツには、何でも入る。ポリアモラスのポリーとかけて、ポリバケツ」