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ちなみに、渡し舟ということから勝手に人が手で漕ぐ昔ながらの船を思い浮かべていた。細川たかしだって、そんな渡し舟のことを歌っていたじゃないですか。でも、あたりまえだがそんなことはなく、ちゃんとした汽船が使われている。
阪神高速のすぐ下にも船が…
続けてふたつ目に訪れたのは、甚兵衛渡船場と呼ばれる渡船場だ。尻無川の河口付近、こちらも周囲は工業地帯。すぐ上流には阪神高速の橋も架かっているのだが、もちろん人が歩いては渡れない。なので、ここでも渡船は重要な役割を担っている。
安治川と比べて川幅の狭い尻無川。対岸には3分とかからずに着いてしまう。船内は混んでいるというほどではないにしろ、それなりにお客は多い。大阪の渡し舟はすべて座席がない“立ち乗船”。台風でもない限りはそれほど川面が荒れることはないのだろうし、手すりはあちこちにあるので充分なのだろう。
対岸に着くと、こちらは工場だけでなく住宅地ゾーンも目立つエリア。市営住宅が渡船場のすぐ近くにあるし、大きな公園や高校まで。住民や学生たちの日常的な利用が多いにちがいない。そこから府道173号線(大正通)までの間には、小さい路地のようなところに町工場や住宅がひしめいている。