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水の都、天下の台所、東洋のマンチェスターに煙の都…やたら二つ名が多い町「大阪」
最後に、鶴町の住宅地を抜けて千歳渡船場に向かった。対岸は尻無川の河口部だ。ご多分に漏れず、すぐ脇には千歳橋という大きな橋が架かっている。この渡船場は、1955年開設で比較的歴史が浅い。大正内港を造成するためにそれ以前にあった橋が撤去され、その代わりに設けられたのだ。2002年に現在の橋が復活したことで、橋と渡船が共存することになった。
そんなちょっと変わった場所もあるが、むしろこれこそが大阪ならではといっていい。水の都が天下の台所として繁栄し、大工業都市になって東洋のマンチェスター、そして煙の都。市域は沿岸部へと拡大し、それが工業地帯だったがゆえに渡し舟が必要になった。そんな大阪の町の本質が詰まっているのが、この大阪市営渡船なのかもしれない。
写真=鼠入昌史
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