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 ただ、昨今は湯船にお湯を溜めないという方も少なくないと思います。可能な限りお風呂につかってほしいのですが、時間がないという方などは洗面器に43℃くらいのお湯をはって、手首をつけるように「手湯」をしてください。足湯同様、5分ほどつけている体の中がぽかぽかと温まってきます。

――お風呂の温度も、熱めの方がいいのでしょうか?

福田 お風呂の場合は、お湯は38~40℃がいいです。この温度は、副交感神経が優位になりやすく、42℃以上の熱いお湯に入ると交感神経が優位になってしまいます。体は温まるのですが、脳が活性化してしまうんですね。寝る1時間半前に、38~40℃のお風呂に入ると、眠りにつきやすく質の高い睡眠につながります。

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 どうしても熱いお湯のお風呂に入りたいという方は、寝る3時間くらい前に入ると、ちょうど深部体温が下がってくるタイミングと重なります。温泉などに旅行へ行くと、ほどよく眠くなりますよね? それって、規則正しいタイミングで温泉につかっているからでもあるんですよね。

©文藝春秋

「午前中からエナジードリンク」は危険信号

――言われてみれば、自然といいタイミングで温泉に入っているような気がします。

福田 午前中に「眠い」と感じている方は、今言ったような改善が必要だと思います。夜に寝て、きちんと睡眠時間も確保しているはずなのに、「眠い」というのは睡眠の質が悪い証拠です。また、午前中からエナジードリンクを飲まないと脳が活性化しないという方も同じです。

――疲れたと感じたときに、短時間でリカバリーする方法などはあるのでしょうか?

福田 疲れたなと感じてきたら、首回りに自律神経が集中しているので、首の筋のあたりをつまんでほぐすといいです。2~3分ほどマッサージをするだけで、まったく違います。現代人は、スマホが欠かせなくなっているので、首への負担がとても大きくなっています。頭は5キロほどの重さがあるのですが、スマホを見るとだいたい皆さん60度は頭を傾けることになります。その際、首回りにかかる負荷は27キロと言われています。その分、凝ったり、疲れたりするんですね。

――働き方改革も大事でしょうが、休み方にも改革が必要ですね。

福田 いま私がお伝えしたことって、お金がかかりません(笑)。心がけ次第で、誰でもできます。睡眠の質を高めるために、ベッドや枕を変えることも有効ですが、どうして体が休まらないのかを知ることが大事です。すべてをやろうと思うとストレスになると思うので、まずは一つだけ始めてみて、何か変わってきたなと感じたら、他のことも試してみてください。

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