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プレイガールについて、とかく同性の点数は辛いものと相場がきまっているのに、ふしぎと彼女はそうではない。いろいろトラブルを起こしたときなど、赤染衛門(彼女も百人一首に入っている歌人だが)などは、親身になって心配してやっている。これは常に捨てられムードを装った彼女が、世の女たちに、

「私の方が、まだしもシアワセ」

と思わせたからではないだろうか。

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プレイガールを志すものは、このくらいオリコウでなければならない。また、世の奥サマ方が警戒すべきは、単純なポルノ志願の女の子ではなく、こういうオリコウな女性なのである。

永井 路子(ながい・みちこ)
歴史小説家
1925年、東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業後、小学館勤務を経て文筆業に入る。1964年『炎環』で直木賞、82年『氷輪』で女流文学賞、84年菊池寛賞、88年『雲と風と』ほか一連の歴史小説で吉川英治文学賞、2009年『岩倉具視』で毎日芸術賞を受賞。著書に『絵巻』『北条政子』『つわものの賦』『この世をば』『茜さす』『山霧』『元就、そして女たち』『源頼朝の世界』『王者の妻』などのほか、『永井路子歴史小説全集』(全17巻)がある。