「棄藍綠! 保台灣! 台灣的選擇柯文哲!!」
(民進党も国民党も捨てて台湾を守れ! 台湾は柯文哲を選ぶ!)
力いっぱいスローガンを叫ぶ彼らは、若くて熱くて爽やかだった。しかも、主催者発表で20万人というとんでもない人数である。私がこれまでに台湾で見た他の主要2政党の集会との違いは、そのムードからも明らかだ。集まった人たちはほぼ30代以下で、学生らしきカップルやベビーカーを押す若い夫婦の姿も目立つ。台湾の「未来」の一端は、間違いなくこの場所にあった。
台湾総統選の投票前夜の1月12日、総統府前で開かれた「第三極」の党・台湾民衆党の選挙集会の印象である。この党は3番手の総統候補者である、元医師で元台北市長の柯文哲の政党だ。
既存の二大政党を否定する彼らの集会では、与党・民進党の集会ではほとんど見られない中華民国国旗がそれなりに多く振られている。いっぽう、会場の雰囲気は一見するとリベラルで、保守的な高齢者向けの演出が目立つ国民党の集会とも違う。二大政党を混ぜ合わせたような雰囲気だった。参加者の年齢層も、中高年が主体である他の政党と比べて圧倒的に若い。
だが、彼らはなぜここまで人気があるのか──? 私は目の前の光景に頭を抱えた。