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100万回再生ドラマの題字を手がけていたのは…?「書道の師範を取りました」俳優・おしの沙羅(28)がたどった“異色の経歴”《写真多数》

おしの沙羅さんインタビュー

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : エンタメ, 芸能, アート, テレビ・ラジオ

note

毎日ゴミ捨て場に持って行っての繰り返し

――作品を書くペースはどれくらいですか?

おしの 調子とかテンションもあるので、ダメな時はまったく書けないし、書くときは一気に書きます。大体一つの作品につき100枚くらい書いて、個展などで展示する作品はその中で自分が見てエネルギーを感じるものを選んでいます。

 書き始めると熱中してしまうので、寝るのを忘れていつの間にか空が明るくなっていたみたいなことは結構あります。作品づくりしている期間は毎日、ボツになった作品が入った大きなゴミ袋をサンタクロースみたいにかついでゴミ捨て場に持って行っての繰り返しですね(笑)。

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©松本輝一/文藝春秋

――ダメだなと思ったら書いている途中で捨てて、という感じで書くのですか。

おしの 途中で捨てることはあまりないですね。最初の筆の入りでダメだと思っても、後で見たときに「意外といい」ってなることもあるし、上手いか下手かということだけにこだわらないようにしています。「この線が綺麗に書けた」とかは勿論あるんですけれど、そういう一部分だけを見てしまうと、視野が狭くなってしまう気がしていて……。

 やっぱり作品って、ぱっと見た時の印象が一番大切かなと思うんです。だから作品づくりにおいては細かな線の上手い下手にこだわっていくというよりは、その練習はその練習で行った上で、言葉を自分なりに表現できているかを重視して選びます。私の作品は抽象画に近く、とても自由にやっちゃっていますね(笑)。

©松本輝一/文藝春秋

――昨年は2度個展を開いていました。

おしの 個展はまずコンセプトを決めて、それに沿って作品やタイトル、サブタイトルの内容を決めていきます。私は言葉の意味を大事にしたいので、言葉を勉強して、咀嚼して飲み込んだあと、どう自分なりに表現するか、作品づくり以上に内容を考えるのに時間をかけているかもしれません。

 作品は全て自分が生み出すものでもあるので、その時の自分自身が一番興味を持ってときめけるようなものを素直にインプットすることで、より内容の深みも増していける気がしています。個展はすべて自分が責任を持って開くものなので、自分自身が楽しむこと、そして最も自信を持てる内容にすることが一番だと思うんです。今年もできれば個展を2回開きたいですね。