〈あらすじ〉
フランス南東部の山間の町で、2016年10月12日深夜、帰宅途中の若い女性が生きたまま何者かに火をつけられ、翌朝に焼死体で発見された。グルノーブル署では、班長になりたてのヨアン(バスティアン・ブイヨン)とベテラン刑事マルソー(ブーリ・ランネール)を中心に捜査を開始。被害者のクララは21歳の女子大生で、彼女の奔放な男性関係が次第に明らかになる。5人の男たちが捜査線上に浮かび上がるが、容疑者を特定できないまま、捜査は打ち切りに――。
3年後、女性判事から再捜査の打診を受けたヨアンは、女性捜査官を加えた新チームを作り、捜査を再開する。
〈解説〉
『悪なき殺人』のドミニク・モル監督の、未解決事件を題材にした犯罪捜査ドラマ。第48回セザール賞最多6部門受賞。114分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆殺人事件をめぐる物語よりもグルノーブルの清らかな景観に注目してしまった。捜査官も判事も女の人というのが新味。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆スリラーにも刑事物語にも属さない変則的なトーンが、一貫して映画の底を流れている。脳髄に絡みつく感触を狙ったか。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆事件に奔走する刑事たちの、解決しないがために宿る執着が己を壊すとは。女性刑事の言葉が闇に落ちない術に感じた。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆「未解決事件もの」における宙吊りの純度を追求した佳品。抑制された語りを堪能。ジェンダーギャップも重要な主題。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆フランスの山間の未解決事件と警察。単純な自転車トレーニングをする警官。野生のリンドウ。巧妙だが好み分かれそう。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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12日の殺人(仏)
3月15日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
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