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タイガースカラーのローソンを抜けると…

 すぐ目の前にはタイガースカラーに彩られたローソンがあり、広場の先にはタイガースグッズのショップ。そのまままっすぐ歩いて行けば、阪神高速道路の高架の下を潜っていよいよ甲子園球場だ。

 甲子園の聖地としての存在感からすれば、駅と球場を隔てる高速道路は無粋な存在といわれるかもしれない。ただ、駅と球場の間に高速道路が通ってもう40年以上。もうこの風景は当たり前のものになっている。いまやかえって聖地への期待感を高めるしつらえのひとつになり、日常と非日常を隔てる絶妙な結界のような役割を果たしているといっていい。

 駅前広場の傍らには、Corowa甲子園という商業施設が建つ。ひと昔前はダイエーで、2003年にタイガースと当時のダイエーホークスが日本シリーズを戦ったときにはちょっとした話題になっている。

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 Corowa甲子園の裏手にはホテルヒューイット甲子園。駅前広場を挟んだ東側には甲子園アルカスという商業施設があって、三井住友銀行や兵庫県警甲子園警察署などもある。

 駅間広場から高速道路を潜って球場の脇を抜けて少し南に行けば、左手にはららぽーと、右手には甲子園歴史館が入る商業ビルが建つ大きな交差点。野球の試合がなくてもららぽーとを訪れる人は引きも切らず、甲子園歴史館に足を運ぶ観光客の姿も目立つ。

 この町は甲子園球場というシンボルを中心として、ららぽーとのような商業施設も兼ね備える、阪神沿線ではいちばんのレジャーゾーンなのだろうか。

 

駅を離れてもう少し歩くと雰囲気が変わってきた

 もう少し、駅を離れて歩いてみよう。

 甲子園歴史館とららぽーとが向かい合う球場沿いの大通りは、「甲子園筋」という。この道を南に歩く。すると、ほどなく球場やららぽーとの喧噪は遠ざかり、すぐに甲子園の町はまったく違った雰囲気を漂わせはじめる。

 甲子園筋の両脇は住宅地だ。東や西へと脇道に入っても、どこまでも続く静謐な住宅地。一角は大規模な団地群になっていたり、戸建て住宅が建ち並んでいたり、大きなマンションが建っていたり。その形態には違いはあれど、甲子園駅前から離れればまるで甲子園球場のお膝元とは思えない、閑静な住宅街がどこまでも広がっているのだ。