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――すごく大変。

田口 めちゃめちゃ大変でした。本番を録りながら、プロデューサーとディレクターがまた原稿を直している。だから、夕方6時から始まって、終わるのが翌日の1時、2時ということもありました。収録後に緊急呼出の修正が入ることもあり、「明日録り直さないと放送できません」」といわれて、「あー了解しました!」って録り直したりして(笑)。

「プロジェクトX」側が自分の読みを活かしてくれた

――新シリーズの進め方は、これから探っていく感じでしょうか。

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田口 仮ナレの制度はなくなったそうですが、それでも昔みたいなやり方はできないですよね。時代が変わっていますし、こちらも着実に歳をとっているわけですから、18歳も。以前と同じように負担のないように進めますということは、約束してくださっています。

 

 ただ、生ものですから、ドキュメンタリーは。

 アナウンサーさんのように一読してすぐに口に出せるわけではないし、その、まあ、僕は俳優ですから。もちろんそれができる方もいらっしゃるかもしれないですけど、台本を読んで、内容を把握して、練習する時間が僕にとっては必要なので。

――田口さんのナレーションは、前のめりではないあたたかさがあるというか、適度な距離があって、あたたかい語りだなと感じます。

田口 「プロジェクトX」がはじめての本格的なナレーションの仕事で、最初は読みが遅かったんですよ。スピードが。それで、言葉をどんどん削ってくださって、僕に合わせてくれたのも幸いしたんですよね。ありがたいことに僕の読みを活かしてくれたから、それが本当によかったなと。

 他の局に行くと、情報量が多くて、早いんですよね。CM明けから観る方もいるから、そこからまた前の情報を入れて、こんなに入ります? みたいな。だから民放でナレーションのお仕事をさせていただいたときは、戸惑いました。

 

元気じゃないし、明るくないからテレビとは合わない

――普段、お仕事を受けられる基準みたいなものはありますか?

田口 台本ですね。脚本を最初に読ませていただいて、面白いとか、あぁ好きだなと思ったものをやらせていただく。

 映画はもちろんですが、最近でいうと「Netflix」はオファーをいただくときにちゃんと台本があるので、作品の世界観を把握できて、のめり込める。