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いざ京葉臨海鉄道へ

 3月14日(木)、晴れ。13時にJR外房線、内房線、京葉線が交わる「蘇我駅」の改札口に集まった稲垣氏と記者、それに文藝春秋写真部の山元茂樹カメラマンは、京葉臨海鉄道総務部長の秋葉政範さんによる迎えの車に乗り込み、同社臨海本線の拠点である千葉貨物駅に向かった。

 千葉市中央区浜野町にある千葉貨物駅は、かつては「村田駅」と名乗っていた。1996年にそれまで千葉市美浜区の京葉線上にあった「千葉貨物ターミナル駅」が貨物列車の受け入れを停止したことから、「千葉貨物」の名称を継承して現在の駅名となったのだ。ちなみに旧千葉貨物ターミナル駅跡地には、取材日の前日にあたる3月13日、大型マルチテナント型物流施設「DPL千葉レールゲート」の建設計画がJR貨物からプレス発表されている。

千葉貨物駅を拠点に県内各地にコンテナ貨物が運ばれ、また集まってくる

 千葉貨物駅の駅本屋(駅機能を集約した建物)2階の会議室で我々を迎えてくれた同社取締役運輸部長の石井一男さんから、同社の概要を聞く。

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 京葉臨海鉄道は1962(昭和37)年会社設立。翌1963年、国鉄蘇我駅から村田駅(現・千葉貨物駅)を経て浜五井駅までの8.8キロの路線でスタートしたが、1973年には現在の終着駅である京葉久保田駅までの「臨海本線」が全通し、現在に至っている。千葉県の地図で見ると、ちょうどチーバくんの“のど元”を上下に行き来するように敷かれた路線だ。

 1978年に成田空港が開業した当初は、空港に航空燃料を送るパイプラインがなかった。これが完成する1983年までは、航空燃料輸送列車を同線から発送していた時代もある。

 現在は千葉貨物駅を中心として、JRとの接続駅である蘇我駅との間で1日28本、反対の京葉久保田方(これを同社では「南方」と呼ぶ)に向けて32本の貨物列車を走らせている。もちろん、旅客列車は走っていない。