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駅の中枢、運行管理を一手に担うCTCセンターを見学する

 同じ駅本屋1階の「輸送本部」と呼ばれる駅の中枢にあたる部門を見学する。

 部屋の奥にあるCTCセンターは、臨海本線の運行管理を一手に担うコントロールタワー。輸送指令の担当者が、二つ並んだパネルを凝視している。

「ここで管理しているのは当駅の下り1番と2番、下り本線、中線、上り本線、上り1番の計6線。他に下りは10番線まで、上りは9番線までありますが、それらは現場で取り扱う操作盤で入換承認をしています」(石井氏)

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CTCセンター

 鉄道にまったく興味がないのにうっかりここまで読み進めてしまった人に最低限の情報が伝わるように説明すると、この部屋ではこの駅の主要な線路の転てつ器(ポイント)や信号機を管理操作しているCTC(列車集中制御装置)を管理・制御しており、それ以外の線路の転てつ器は現場にある別の「FRC(貨車入換進路設定装置)」を使って動かしている――ということだと記者は理解した。

 奥のパネルでは、“南方”にある京葉市原駅、浜五井駅、前川駅という「行き違いができる駅」の場内信号機の管理をしているとのこと。臨海本線は全線が単線なので、これを見ればいまどこを、どっち向きの列車が走っているのかが一目瞭然で分かる仕組みだ。部外者でもしばらく眺めていれば、

「ああ、あの列車とあの列車があそこですれ違うんだろうな……」

 と想像できると思うのだが、それを見て楽しいと思うか否かは“鉄分の差”ということになるのだろう。

「ここには風速計と雨量計、地震計もあります。地震は震度4で徐行、5で運行停止の規制がかかる。今日は静かですが、ダイヤが乱れると一気に忙しくなるんです」と石井氏。

 この部屋だけはつねに平穏な時が流れてほしいものだと切に願う。

14時ちょうどに「反応灯ヨシ! 反応灯ヨシ! 反応灯ヨシ! 安全運行ヨシ!」

 14時ちょうど――。

 14時19分に同駅を出発して京葉久保田駅に向かう下り第507列車の機関士(同社では「運転士」を「機関士」と呼ぶ)の運転点呼が始まった。いつもは記者が乗り込む列車の点呼に立ち会うのだが、今回は取材のスケジュール上、1本前の列車の点呼を見せてもらう。

 カウンター越しに機関区当直助役と向き合って立つ機関士の吉井和也さん。検温とアルコールチェックののち、「今日の行動宣言」としてこう述べた。

「踏切接近時は反応灯の点灯を確認します。反応灯ヨシ! 反応灯ヨシ! 反応灯ヨシ! 安全運行ヨシ!」

機関士の運転点呼

 最後の「安全運行ヨシ!」だけは点呼の相手である当直助役も一緒に言う。息が合っていてカッコイイ。

 最後は、

「気を付けて!」

「行ってきます!」

 で点呼は締めくくられた。

 507列車はきっと安全に運行を遂行するだろう。