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Suicaでさえ、きっぷ派からの批判は少なくなかった

みどりの窓口、券売機というリアルの接点から、オンライン・チケットレスに移行するのであれば、どちらも選択できる環境を整えつつ、後者の利便性をアピールするか、割引の設定などインセンティブを設けることで、利用者自身に移行を選択させなければならない。デジタル化に対応できない人だけが残れば、対面窓口をそうした機能に特化することができるので、業務の合理化にもつながる。

2001年にサービス開始したSuicaが急速に普及して首都圏のインフラにまでなったのは、従来のきっぷやイオカードと「券売機で購入(入金)して改札機を通過する」利用形態が同じだったことと、繰り返し使える利便性や再発行、自動精算などの機能が評価されて、自発的な移行が相次いだからだ。

IC専用自動改札機の導入はSuica登場から5年ほど後のこと。さらに5年もたつと、ほとんどの改札機がIC専用化され、券売機も大幅に削減された駅は珍しくなくなった。都市部のIC利用率はかなり早い段階で9割に達していたが、それでも磁気券で通れない改札機の増加を批判する声は少なくなかった。

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「みどりの窓口に行く理由」を解消するのが先だ

たったこれだけのことに時間を費やし過ぎたという反省がJR東日本には、あるのかもしれないが、オンライン化・チケットレス化は鉄道利用時の行動様式が根底から変わる大改革であり、余計に慎重に進めなければうまくいくものもいかなくなる。

JR東日本が手をこまねいているわけではない。今年4月1日には通学定期券購入時の通学証明書の確認を年1回から初回購入時のみに変更、またクレジットカードで購入したきっぷを指定席券売機で払い戻しできるようにするなど、みどりの窓口に行かなければならない理由を徐々に解消している(順番が逆だろうという指摘はもっともだ)。

また導入を進めている新しいSuica改札システムでは、エリアの拡大・統合が予定されており、Suica1枚でJR東日本エリア全域を移動できるようになる日も遠くない。だが根本的な解決には、100年以上の継ぎ足しで複雑極まりない規程・基準の簡素化が必要なのだろう。