離婚した両親が、高校時代に復縁したワケ
――中学の頃に、ご両親が離婚されたそうですが。
武田 そう。でも、両親から「離婚した」とちゃんと話をされなかったし、こっちも聞かなかった。「ああ、離婚したんだな」っていう感じ。
それでも、かなり落ち込みましたね。中学生っていう思春期の真っ最中に親が離婚するのって、相当にショックだし、すげえ悲しかったですよ。多分、泣いてたと思うんだけど、そういうのを親にも他人にも見せたくなかったしね。
ただ、いまでもそうなんだけど、俺って気持の切り替えが早いんですよね。「離婚したんだな」と気付いた次の日には、「よし、サッカーしよう!」ってボール蹴ってたから。
――でも、高校時代に復縁を。
武田 高校1年生の時に、全国高校サッカー選手権で頑張って、準優勝して、得点王にもなって。離婚してから、親父は鹿児島にいたのかな。そういう俺の活躍を、親父がテレビで見てたらしいんですよ。それで胸を打たれて、「心を入れ替えて、真面目になる」って母親に連絡してきて、また籍を入れたんですよ。復縁をしたのは、母親の優しさですね。
離婚では泣いたけど、復縁の時は「そっか」って、どこか吹っ切れてましたね。親とはいえ、大人同士の話だし。俺も武田修宏として、もう自立してたからね。
ただ、全国高校サッカー選手権の決勝が、家族を1つにしてくれたんだって思ってますけどね。
派手好きなところ・華やかなところは父譲り
――お父さんは、復縁後に体調を崩されたそうですね。
武田 糖尿病で亡くなるんだけど、最後の5年は寝たきりで、母親が自宅で面倒を見てましたね。
当時、毎年1月にハワイに行ってたんですけど、ハワイに到着した瞬間に兄貴から「親父が亡くなった」と電話が来て。すぐに空港で日本行きのチケットを買って、父のいる静岡まで駆けつけました。
さっきも話したけど、派手好きなところ、華やかなところは、父譲りだから。そういうのがあったから、テレビにも出られたし。あとは勝負師なところ。親父はギャンブル、俺はサッカーが勝負の場っていうね。そういった意味で、親父には感謝してますよ。逆境に立ち向かうことで、自分の気持ちは強くなりましたから。
撮影=釜谷洋史/文藝春秋
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