『ザ!世界仰天ニュース』2時間スペシャルで「安倍元首相銃撃事件」が取り上げられ、ゲストのヒロミの「(宗教で救われてる人はいるから)統一教会でも別にそう思ってる人もたくさんいるんだろう」という発言がやや炎上し、TVerで一瞬配信された後ナゾの配信終了があったとかで話題になっていた。ヒロミの発言やテロップが統一教会擁護だ! おまけにTVerまで検証不可能にするために配信停止させたんだ、闇の組織が! みたいな話になっていたが、その後しれっとTVerは復活。ヒロミ発言カットとかも別になし。なんだったんだ。この番組の問題はそんなところにあるんじゃないと思うのだが……。
「安倍元首相銃撃」、そりゃ仰天した。したけど「ザ」までついた「世界仰天ニュース」という仰天なのか。世界だけじゃない日本の大事件も扱う番組ではあるが、2年前の元首相銃撃を盆休みにぶつけてくるか。
私がこれを見ての感想は、「山上被告役がすごくよく似てた。鼻出しマスクがキモ」「安倍昭恵さん役があまりにも似ていない」「ヒロミの発言が擁護だとしてもそれがふっとぶぐらい統一教会はふつうに悪い。ぜったい近寄らないようにしよう」「安倍さんはゴルフの時1ホール1ダジャレを言わせるルールを決めたりしてたのか」。
スタジオのトークのリアクションも、「外国のトンデモ事件」見て「すごいですねー!」って言ってるのとほとんど変わらないし、もっとワケがわからないのは、番組の合間にまったく唐突に、ゲストの「出演情報でーす」みたいなものが挟まれる。びっくりする。
最初に騒がれた「実は統一教会擁護を繰り広げる」内容なら、内容の是非は措いても「あえて今この番組を作るんだ! 世界平和統一家庭連合バンザイ!」という制作モチベーションは理解できたかもしれない。しかしそんなんじゃないし。なんなんでしょうかこの「元首相銃撃事件をただのネタとして消費する」感じ。「世界の大事件を矮小化」するための番組なのかこれ。って、今さらか。
子どもの頃、民放の『木曜スペシャル』とか『金曜スペシャル』で、よく「ネッシー」とか「恐怖の心霊写真」とか「UFO」とかを扱っていて、もう最初から最後までおどろおどろしく、怖さのあまり吐き気がするほどだった。世界の仰天するニュースっていうならもう、UFOやネッシーやヒバゴンやツチノコに回帰してほしい。……のだけれど、今どきだとそういうやつを扱うと陰謀論の人が湧いてきたりするのかもしれない。ならば手近な大事件をバラエティノリでやってるほうがマシなのか。私はおどろおどろしいやつで吐き気がするほど怖い思いをしたい。
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『ザ!世界仰天ニュース』
日本テレビ 火 21:00~
https://www.ntv.co.jp/gyoten/