くら寿司の広報宣伝・IR本部 広報部 マネジャーを務める辻明宏氏は、「先行者利益を生かし『回転寿司といえばくら寿司』となるようにしていきたい」と意気込む。
また、アジア市場でも2023年10月期の売り上げは大きく伸びた。前期比35.3%増の約215億円で、新たに中国本土1号店の「くら寿司 上海龍之夢中山公園店」もオープンし、台湾では6つの新規出店を果たすなど、今後の成長に向けて海外市場への期待度は高い。
「ビッくらポン!」誕生のきっかけ
くら寿司の海外店舗は基本的に日本で確立した回転寿司のシステムを踏襲しており、それが従来の「寿司」とは異なる、カジュアルに食事できてエンタメ性も内包した「回転寿司」として人気を博している。
例えば、くら寿司の大きな特徴である「ビッくらポン!」はそのひとつだ。
ビッくらポン!は2000年に導入したシステムで、卓上のポケットに皿を入れていくと、5皿に一度ミニゲームができ、当たりが出ると景品がもらえるというもの。生まれたきっかけは、食事後のテーブルを片付ける際の効率化と、「食事していて、積み上がった皿を他の人に見られるのが恥ずかしい」という女性客の声をきっかけに1996年に登場した「水回収システム」だ。
「社長の田中が、店舗で子どものお客さまが皿をポケットに入れているところを見て、そこで何かゲームができないか、と考えたことからビッくらポン!のアイデアが生まれました」(辻氏、以下同)
当初、ビッくらポン!はオリジナルの景品を用意していたが、転機になったのは2005年。映画『釣りバカ日誌16』がくら寿司の店舗で撮影をした縁から、景品の中にペア鑑賞チケットと引き換えられる当たり券を入れた。
その後、プロ野球チームや人気アニメとのコラボが増えていき、今では景品関連のコストとして、年間で10億円以上もかかっているという。
もっとも反響があったコンテンツとは
これまでコラボしたコンテンツは40件を超すという。その中で最も反響があったのはどのIPだったのか。