SL運行や「きかんしゃトーマス号」で人気の大井川鐵道には、もうひとつ人気のコンテンツがある。大井川鐵道の名物広報・山本豊福氏と行く「応援鉄ツアー」だ。山本氏はテレビや雑誌がSL列車やアプト式鉄道を取材するときの窓口として業界では有名人。ひょうきんなキャラクターで鉄道ファンや静岡県民の人気者だ。

南阿蘇鉄道立野駅を訪れた山本氏(大井川鐵道提供)

  そんな山本氏が企画した「応援鉄ツアー」は過去に3回、被災した南阿蘇鉄道やくま川鉄道、共にSLを運行する真岡鐵道、運転終了が迫っていた九州のSL人吉などを訪問してきた。その第4弾は9月に開催予定で、静岡の大井川鐵道に始まり、「えちごトキめき鉄道(新潟)、明知鉄道(岐阜)、長良川鉄道(岐阜)、富山地方鉄道(富山)、万葉線(富山)、JR氷見線(富山)」などを回る。

大井川鐵道のSL急行列車「かわね路号」(大井川鐵道提供)

  大井川鐵道のSLだけでは無く、東海・北陸地方の6つのローカル線を2泊3日で訪問する。それぞれ単独ツアーも成り立つ鉄道を詰め合わせたお得なツアーといえる。

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  しかし、行程をよくみるとツッコミどころもある。

2泊3日のツアーで9回もバスに乗る異例のルートだが…

9月27日(金)

1日目:静岡駅10:00集合→貸切バス→大井川鐵道新金谷駅→SL列車「かわね路1号」→川根温泉笹間渡駅→貸切バス→明知鉄道明智駅でのSL車掌車体験→列車→極楽駅→貸切バス→恵那市内に宿泊

 

9月28日(土)

2日目:恵那市内→貸切バス→長良川鉄道美濃市駅→列車→郡上八幡駅→貸切バス→氷見市内を散策→JR氷見駅→列車→高岡駅→貸切バス観光→高岡駅→ドラえもんトラム乗車→越ノ潟駅→貸切バス→富山市内に宿泊

 

9月29日(日)

3日目:富山市内から徒歩で電鉄富山駅へ→列車→富山地方鉄道上市駅→貸切バス→えちごトキめき鉄道・日本海ひすいライン 糸魚川駅→列車→直江津駅の直江津D51レールパーク→列車→直江津駅→えちごトキめき鉄道・妙高はねうまライン→妙高高原駅→貸切バス→静岡駅南口

  鉄道をめぐるツアーだが、バス移動がとても多くなんと2泊3日で9回もバスに乗る。とくに1日目の川根温泉笹間渡駅から明智駅までの所要時間は約4時間、3日目の妙高高原駅から静岡駅までの所要時間は約5時間と長い。

 

 地理院地図を加工して行程を書き込んでみた。赤線が鉄道、青線が貸切バス。青線は筆者がルート検索で調べた結果で、実際とは異なるかもしれない。

  ひたすらバスに乗って鉄道を見物する、「応援鉄」という名のバスツアーだ。どうしてこんな行程になったのか。