専門学校生時代に「グラビアアイドルをやってみませんか?」と電話が…
――21歳でグラビアアイドルになる以前は、専門学校生、フリーターを渡り歩いたと。
藤乃 中学時代に見た映画『パラダイス・キス』への憧れがあったので、高校卒業後は石川県から上京して、都内の服飾系専門学校に通いました。でも、1年半通った時点で「想像と違う」と思って辞めちゃって(苦笑)。地元に帰ってからは「自分には何ができるんやろ」と思いつつ、週6で居酒屋のバイトをしながら、他にも色々とかけもちしました。
――そこから、グラビアアイドルとなったきっかけは?
藤乃 居酒屋での仕事中、専門学校生時代にスカウトしてくれた今のマネージャーさんから「芸能事務所を立ち上げるので、グラビアアイドルをやってみませんか?」と電話がかかってきたんです。
「そろそろ何かせんと」と思っていた時期でしたし、迷うことなく即決しました。実は、居酒屋のマスターが「イケるんちゃう?」と背中を押してくれたんです(笑)。
「これを売りにしたらええやん!」コンプレックスだった胸を武器に
――(笑)。潔いというか、勢いに身を任せて生きていますね。
藤乃 勢いでしか生きてこなかったかもしれません(笑)。専門学校も東京と大阪で迷っていたけど、学科の内容を比べて「東京の方がいい」と直感で飛び出したので。でもやっぱり「想像と違う。帰る!」と思って故郷に戻ったのもそうですし、好奇心旺盛なので言われるがまま、グラビアアイドルになりました。
――その後、グラビアアイドルとして再び上京するわけですね。
藤乃 はい。マネージャーさんからの電話が21歳の4月で、7月に上京して、グラビアアイドルとしてデビューしました。1年目は撮影会が中心でしたけど、人前に出るのが苦手だし、人見知りだったはずなのに、ファンのみなさんを前にすると緊張もなく自然と笑顔になれたんです。
中学時代からのコンプレックスだった胸の大きさも「これを売りにしたらええやん!」と思ってからは、気にならなくなりました。
「右耳だけ、聞こえづらくなった」体調不良に気づいたきっかけ
――活動は順風満帆で、22歳でリリースしたデビューDVDはDMM通販による「グラビアアイドルDVD年間売上ランキング」で1位に。23歳で、キネマ旬報社主催の「グラビア・オブ・ザ・イヤー」も獲得しました。ところが、24歳の10月頃からは右耳の不調に悩まされるようになったと。
藤乃 右耳だけ、聞こえづらくなったんです。ずっと水中にいるかのようで、首を右側に傾けるとコポコポと液体が流れる音がする感覚でした。「なんやろな。まあ、そのうち治るやろ」と思って、友だちやファンの方にも伝えていて「謎や。歳かなぁ」と会話していたんです。
でも、1ヶ月ほっといても治らなくて、周囲から「病院に行ったほうがいい」と言われたので、最初は耳鼻科に行きました。