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瀬川の破天荒ぶりを最もよく示すエピソードは、なんといっても大学受験の仕方である。

ドラマ「振り返れば奴がいる」(フジテレビ)を見て医者に憧れ、医学部進学を目標に据えた瀬川は、高校時代、まさに破天荒な方法で受験勉強に励んでいる。

瀬川が言う。

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「実家が自営業で浪人させてもらう余裕がなかったので、2年間で高校3年分の勉強を終わらせて、残りの1年間を受験勉強にあてると決めたんです。もう、早朝から深夜まで、むちゃくちゃ勉強しました。学校の授業を聞いている時間がもったいなかったんで、自分で勝手に時間割を作って受験勉強をしていたんですが、当然、先生は怒りますよね……」

教師から何度も注意を受けたが、それで態度を改めるような瀬川ではなかった。

「瀬川、教室から出て行け! と言われたら、もうガッツポーズですよ。廊下に座って、自分の時間割に従った勉強を続けました」

このままでは高校を卒業できない…

高3の時点で、模試を受ければ物理は全国1位が当たり前。高校の中でも断トツに成績はよかったが、いかんせん、出席日数が足りないことが3年生の終わり頃になって判明した。学校をサボって独自に勉強する日が多かったからだ。

このままでは卒業できないと、学校側から宣告された。

「そこで学校と交渉したんです。僕が通っていた高校は、当時まだ歴史が浅かったから、学校としては進学実績を伸ばしたいはずだと読んだのです。そこで、学校側が僕に『受かってほしい』と考える大学すべてに合格したら、出席日数をなんとかしてくれないかと先生に頼みました」

私立だから可能なバーター取り引きだが、相手にとってのメリットを見透かした交渉の進め方は、およそ高校生とは思えない。

学校側は瀬川の提案をのんで、「受かってほしい大学8校」を指定してきた。結果はなんと、8校すべてに合格。本命の医学部だけは不合格だったが、受験勉強をやり切ったという思いがあったので悔いはなかった。