抗がん剤はキツいけど、お外に行こう、人に会おう
ーーフルコース?
アンナ 治療の期間を聞いて、ガーンと来たの。で、私の場合は術前化学療法といって手術前にふたつの抗がん剤治療をやるんだけど、ひとつがAC療法、もうひとつがパクリタキセル療法。で、右胸の摘出手術。そのあともいろいろと。
ーー抗がん剤治療は辛いと聞きますね。
アンナ 昔はみんな抗がん剤がキツくて吐いていたし、吐き気止めがなかったんですって。でも、いまは吐き気止めがあって、その薬を30分かけて入れてくれて、抗がん剤を投与した次の日からも3日続けて吐き気止めを飲むんです。そういうのも日進月歩で、昔とは違うなって。
今回、私は「がんになったらどうするの? どうやってやっていくの?」ってところにフォーカスしていて、そこがすごく重要なポイントで。「抗がん剤、キツい」って気持ちになったら、そのままどんどん落ちてっちゃうんですよ。でも、キツいけどお外に行こうとか、人に会おうってなると、忘れられるので。
朝、シャワーに入ったら「あ、来た」と感じた瞬間に髪が抜けて…
ーー告知のとき、お母さんはどのような様子でした?
アンナ すっごい泣いてた。「それでも、あなたが笑ってるから、元気だから良かったわ」って、何度も言ってた。それよりもママが一番ショックだったのは、抗がん剤の副作用で私の髪が抜けたとき。
抜け始めて4日間ぐらいで全部抜けるんだけど、段階があるんです。朝、シャワーに入ったら「あ、来た」と感じた瞬間に抜けて。その抜けた毛が抜けてない毛に絡まって、ドレッドみたいになっちゃったんです。その日、生放送があったんで「やば、どうしよう」と焦って、慌ててコンディショナーしたけど、全然なにも変わらなくて。で、「ママ、悪いけど切ってくれる?」って言って。
そうしたら、もう泣いてるわけ。ショックだったとか、怖かったとか、「自分の娘がこんなになっちゃっていてかわいそう」とか、いろんなことが入り混じってたんだと思うんですけど。