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ーー胸専用MRIのクリニックは、「がんではなくて、嚢胞です」の診断結果を送られて終わりですか。

アンナ がんって診断が出てから、クリニックに呼ばれたんです。もちろん、機械に映らなかったってこともあるし、最終的には人が画像をチェックして判断するので見誤るってことがあるから、そこはしょうがないとは思う。ただ、私が許せなかったのは、診断書を書いた先生のほかに偉い先生もいたんですけど、その偉い先生が「僕が見ていたらこんな診断は出さなかった」とか言い出したこと。もう、そんなこと言われても遅いしね。

 診断書を書いた先生に「一言『嚢胞が多いから、大きい病院で調べたほうがいい』って、どうして書けないんですか?」って言ったの。「これ、場合によっては人が死にますよ」って。向こうは私が弁護士を連れてくると思ってたらしいけど、そのときにはがんの告知を受けてたから、そんなことやってる暇ないし、それだけ言って帰りました。

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先生がすごいカジュアルに「浸潤性小葉がんですね」って

ーー罹患したのは、浸潤性小葉がん。乳がんでも希少がんにあたるもので、部位は右乳房、ステージは3A。リンパ節への転移もあったと。

アンナ 7月の頭に告知を受けたんですけど、先生がすごいカジュアルに「浸潤性小葉がんですね」って言うんですよ。数十年前に父ががんになったときは、本人には言わない、家族には気を使って知らせるって感じだったのを知ってたから、「先生、今日は結果を教えてくれるんですよね。ママも来てるんですけど、大丈夫ですか?」って聞いたら「どうぞどうぞ、ご一緒に」って言うから、昔と違うなって。

 昔は「告知は、家族同席でもよろしいですか」とか確認を取ってたはずなんだけど、サラッと「ご一緒に」って。いつもお花畑にいるクラウディアさんには、さすがにこれは衝撃すぎるなって。相続のときにも、いろいろショックを受けてるのを見てたから、病院に連れてきちゃってママに悪いことしちゃったなって。

ーー淡々と告知を受けたのですか。

アンナ なんか、ママの心配しかしてなかった。私はちっちゃい頃からそうなんだけど、どんな衝撃にも結構耐えられるタイプで、あんまりパニックにならないんですね。「ああ、そうか」みたいな感じで、そこから調べていく。目の前に来たものをビックリしないようにというのが、小さい時からモットーなんです。だから、パパが亡くなったときもパニックにならなかったし。

 よく「がんと聞いてガーンとなる」みたいなこと言うけど、「乳がんです」って言われてもさほど驚かなかった。それよりも「梅宮さんの場合はフルコース」と言われたことには、さすがにガーンというかビックリした。