「梅宮アンナが髪の毛ないってありえないんだけど」とか思って…
ーー抜け毛に備えて、髪型を変えたりしていたのですか。
アンナ バリカンで刈っちゃう人がいるけど、チクチクするって聞いてたから、それはやめてたんです。とりあえず、ボブをもうちょっと短くした感じにして。
ほんとは自分で切りたかったんだけど、頭の上だから見えないし、ママに切ってもらって。そうしたらフランシスコ・ザビエルになって、「いや~、ここなくなっちゃった」みたいな。
やっぱり、髪の毛がなくなるのは、怖くて、イヤで。「梅宮アンナが髪の毛ないってありえないんだけど」とか思って。「髪の毛なくなるなら、抗がん剤やめたいな」って一瞬考えるくらいイヤだった。
ーー現在の髪の状態は。
アンナ ほぼ9割ないんですけど、いまは「楽ですね、髪の毛ないの」って言ってる。5分ですべてが終わって、ブローする時間もいらない。最高、みたいな。私のこれまでの人生って、髪の毛を洗ってブローする時間が、こんなにも占めていたんだと思って。
抗がん剤が終わると、髪の毛はまた生えてくると言っているし。ただ、毛の質が変わる可能性もあって、どういう質になるかわからないけれども、人生のなかの4ヶ月から半年ぐらい髪の毛がないって体験も悪くないかなと。
昔、ハゲている人と付き合ったことがあって。バーコードみたいな。で、髪の毛をすごい大事にするから、ケンカになったときに、こっちも頭に来てクチャクチャにしてやったことがあるわけ。そうしたら、相手は「やめろ、やめろ!」って。いま、私自身の髪がこういう状態になって、その思いがすごくわかりました。その気持ちがわかって、申しわけなかったなって。
ーー娘の百々果さんには、どのタイミングで病気のことを。
アンナ 百々果には、胸の異変を感じたときから言ってる。5月20日に自分の胸の写真を撮って、「大変、見て。こんな感じ」って送ったら、すぐに「ママ、それマズイよ」と言ってきて。そこから百々果は、私のことで眠れない日々を送ることになるんだけども。
家族にどう伝えるかとか、家族がどういうふうに受け止めるかって、本当に人それぞれだし、性格もあってのことなので。今回、いろんな方からお話を聞いて驚いたのが、意外とみなさん「がんになった」って言えないってこと。たとえば、「がんになりました」って会社に報告したら、仕事がなくなってしまうかもしれないっていう恐れがあって。言えなくなってるっていうね。