生まれつき目や皮膚、毛髪の色素が不足している遺伝子疾患の「アルビノ」。2万人に1人の確率で発症するといわれ、国の指定難病になっている。

 現在、インフルエンサーとして活動しているりり香さん(23)もアルビノ当事者のひとり。アルビノの症状によって日焼けへの抵抗力が低く、視覚障害も抱えている。彼女はいったいどんな症状を持ち、どうやって日常生活を送っているのか。病気に対する偏見をどのように受け止めているのか——。

 りり香さんに同行してくれたアルビノ当事者・雁屋優さんも同席の上で、りり香さんに話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)

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インフルエンサーとして活動するアルビノ当事者のりり香さん ©細田忠/文藝春秋

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生まれつき身体に色素がなかったり、少なかったりする遺伝子疾患

――まずは、「アルビノ」がどんな病気なのか教えてください。

りり香さん(以下、りり香) アルビノは、生まれつき身体に色素がなかったり、少なかったりする遺伝子疾患です。

雁屋優さん 網膜の色素が薄くて視力が低い、極端に光に弱いといった症状があります。眼科と皮膚科にまたがる疾患で、「眼皮膚白皮症(がんひふはくひしょう)」とも呼ばれていますね。

 実は、アルビノの遺伝子自体は50~70人に1人程度の人が保有していて、珍しいものではありません(※1)。でも、その遺伝子の型は20種類以上あって、同じ型が2つ揃ったときに発症するのだそう。

 だから、実際にアルビノと診断されている人は、日本国内だと5000人程度と稀な病気なんです(※2)。その希少さから、2015年には国の指定難病にもなりました。

※1・・・日本アルビニズムネットワークのホームページより
※2・・・難病情報センターのホームページより

 

日焼け対策をせずに外出したら、体中が真っ赤に腫れて…

――アルビノと言っても、症状は人それぞれ違うそうですね。りり香さんはどのような症状があるのですか。

りり香 私の症状も、一般的なアルビノと変わりません。ただ、私は身体に色素がまったくないんです。

――以前SNSで「日焼け止めを塗らずに少し外に出ただけで、肌が炎症を起こしてしまった」という投稿をされていましたね。

りり香 ほんの少しの時間でも、日焼け対策をせずに外に出てしまうと、肌が赤くなったり炎症を起こしたりしてしまいます。小さい頃から、出かける前は体中に日焼け止めを塗って、長袖を着て。さらにサングラスをかけて、日傘を差すのも欠かせませんでした。