先週2月23日放送の第8回では、ふじが蔦重と会話を交わす場面がようやく出てきた。蔦重が新たな趣向を凝らした案内書『吉原細見』でいよいよ地本問屋(江戸における本の出版元)としてスタートを切り、吉原にしばらく遠のいていた客足も戻ってきたとあって、各店の主人らが祝ってくれる。ふじも、蔦重の門出を喜び、せいぜい主人たちを頼るがいいよと言ってくれたのだった。
同じ回の終盤では、地本問屋たちが蔦重の版元入りを頑なに拒むので、ふじを含む吉原の主人・女将連中が怒って、彼らの吉原への出入りを禁じてしまった。このとき、地本問屋側のリーダー格の鶴屋喜右衛門(風間俊介)が市右衛門に例の階段から突き落とされ、階下にいた仲間の西村屋与八も巻き込まれる。西村屋を演じるのは西村まさ彦で、飯島とはいまから27年前の1998年、三谷幸喜脚本のドラマ『今夜、宇宙の片隅で』に石橋貴明を交えメインキャストとして共演している。それが今回、2人がこうして再び顔をそろえ(この間、西村は「雅彦」から「まさ彦」に改名)、ちょっとうれしくなった。
飯島は『今夜、宇宙の片隅で』で演じたヒロイン・川上真琴を、いままで演じたなかで一番好きな役として、昨年(2024年)刊行した著書『今のための今まで』(世界文化社)で挙げている。ドラマの舞台となったニューヨークでのロケも楽しかったという。
うるう年の2月29日生まれ、かつては美容師を目指して…
1968年2月29日生まれの飯島は、うるう年ではない今年は、おととい2月28日に57歳の誕生日を迎えたばかりだ。子供の頃は美容師になるのが夢だったという。それというのも、母親と姉のほか親族に美容師が多かったためで、都内の女子高在学中より美容学校の通信教育を受け、高校卒業後、美容室にインターンに入ったところまでは、『今夜、宇宙の片隅で』の真琴とも重なる(真琴はニューヨークに留学した点が違うが)。だが、いざ現場で働いてみると、先輩たちとの実力の差を感じて自信を失い、断念した。
美容院をやめたのち、やりたいことが見つかるまでモデルをやろうと思い、モデルクラブに入った。最初はブライダルモデル専門だったが、コンスタントに仕事がなかったため、まもなくして別の事務所に移籍する。そこで水着で写真を撮ったのを機に、徐々にグラビアなどの仕事が増えていった。テレビデビューも、往年の日本テレビのナイトショー『11PM』に水着で登場するカバーガールとしてであった。20歳のときである。