──顔にはどんなツボがあるんでしょう?
北條 たとえば小鼻の横に『四白(しはく)』、こめかみに『太陽』というツボがあるので「チークは『四白』と『太陽』を線で結ぶイメージで広げましょう」とか「『四白』にチークを丸くのせるとかわいい印象に」と説明をします。指で顔を触るときに知っている名前があると、わかりやすいんです。
「綺麗になりたい、他人からよく思われたい」気持ちは同じもの
──北條さんはメイクをすることで、何が一番変わりましたか?
北條 「ちゃんと整えている」という自分の気持ちですね。視覚障害があっても、外に出れば人から見られます。だからこそ「外見を整えたい、身だしなみをきちんとしたい」と思うのは、見える人と変わりません。「綺麗になりたい、他人からよく思われたい」という気持ちを叶えたいのも同じだと思います。
障害があるのになぜオシャレするのかと聞かれたら「自分のモチベーションを上げるため」というのが私の答えですね。
──北條さんがメイクの方法を伝えた視覚障害者の人たちは、どんな反応をされるんでしょう。
北條 「ずっとインドア派だったけど、メイクを覚えたら出かけたくなった」「旦那さんに『最近のメイクいいね』とほめられた」という感想をもらうと嬉しいですね。あとは「お化粧したり、スキンケアするのはとても楽しい。もっと若い頃から知りたかった」という声もいただくので、とてもやりがいがあります。
私自身は、北川景子さんのような綺麗な顔立ちに憧れるんです。実は正直言うと、整形に興味を持ったこともあります。
──いつか整形もしてみたい?
北條 実際に整形することは考えていません。メイクを学んできて思うのは「自分の顔を否定せず、いい部分を引き出したい」ということ。左目がない私でも、メイクをすると楽しくて気持ちが上がるんですよ。それが一番大切かな、と。

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