大阪市で開催中のアジア映画の祭典「第20回大阪アジアン映画祭(OAFF)」(3月14日~3月23日)で17日、『レイニー ブルー』のワールド・プレミア(世界初上映)が行われた。同作は監督・脚本・主演を務める柳明日菜(21)が高校生の時に故郷・熊本を舞台に撮り上げたもの。上映後には柳監督、プロデューサーの濵島玲恵さん、出演の夏都愛未さんが舞台挨拶を行った。

左から、濵島プロデューサー、柳監督、夏都さん ©文藝春秋

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小津安二郎に魅せられて

 教師に勧められた小津安二郎の上映会に対して、「『秋刀魚の味』とか『お茶漬の味』とか心底興味ねーし!」という女子高生たちの叫びから始まる本作。主人公・蒼(柳明日菜)は観に行った小津作品に魅せられ、笠智衆が大好きになり、映画を作ることを夢見る。休眠状態になっていた映画同好会のたった一人の部員となり、笠智衆のポスターでいっぱいの部室で脚本づくりを進めるが……。

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 この日登壇した濵島プロデューサーは涙声。上映終了とともに柳監督が号泣したため、つられてしまったそうだ。

「ようやくお披露目することができて、感極まっております。おととしの夏に撮影をいたしまして、何度も止まりかけたんですけど、ほんとにいろんな人に協力をいただき今日まで来れました」

柳監督 ©文藝春秋

 本作は熊本県の玉名市や玉東町などの大きな協力を得て制作されている。