──最後に、リー・ミラーを演じたケイト・ウィンスレットについての感想をお聞かせください。

ケイト・ウィンスレット

クラス 彼女は、とても複雑な人物を表現することができる、信じられないような、素晴らしい、美しい仕事をしたと思います。ケイトの演技はいい意味で渋くて、いろんな意味でとてもエモーショナル。映画の中のケイトは、まさにリーそのものでした。

 そして彼女は、リーが持っていた感情を複雑にとらえることができただけでなく、自分自身のものにしていました。ケイトがカメラを使うとき、ケイトはリーと同じようにカメラを使い、フィルムを装填し、カメラのことを何でも知っているようにふるまっていたけれど、それはまるで、カメラがケイトの手の一部になったかのように見えました。

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 ケイトの演技は本当に素晴らしい。リー・ミラー役のケイトを日本のみなさんにもぜひ観てほしいと思います。

リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』(原題:LEE)

TOHOシネマズシャンテほかで公開中 

 

STORY

女性や犯罪の声なき被害者たちへの深い理解と共感を持っていたリー・ミラー。彼女が写し出す写真には、人間が持つ脆さと残酷さが刻み込まれている。

映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は、現代における偉大な戦争報道写真家のひとりとしてその名を歴史に刻んだリー・ミラーの人生の10年間に焦点をあてた物語だ。

世界的トップモデルから報道写真家に転身したリー・ミラーは、第二次世界大戦の激化を最前線で取材。ノルマンディー上陸作戦やブーヘンヴァルとダッハウの強制収容所の残虐行為を生々しくカメラでとらえ、世界に衝撃を与えた。さらに、ヒトラーが自死した1945年4⽉30日当日は、ミュンヘンにあるヒトラーのアパートの浴室に突入。裸でバスタブに入る自身のポートレイトを撮り、戦争の終わりを伝えた。

しかし、戦争を撮るという経験は次第に彼女の心を蝕んでいく。

終戦から30年後、若いジャーナリストに彼女が語った真実とは──。

 

STAFF&CAST

監督:エレン・クラス/製作:ケイト・ウィンスレット、ケイト・ソロモン/出演:ケイト・ウィンスレット、アンディ・サムバーグ、アレクサンダー・スカルスガルド、マリオン・コティヤール、ジョシュ・オコナー、アンドレア・ライズボロー、ノエミ・メルラン/イギリス/2023/116 分/配給:カルチュア・パブリッシャーズ/© BROUHAHA LEE LIMITED 2023

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