でも、普通に話を聞いていたのに、突然、ワーッて怒り出すから、どこに、何のスイッチがあるのかわからない。私、何もママに話しかけていないから、スイッチを押すことをしていないのに、勝手に自分でスイッチを押してのことなのか、押してるつもりもなく勝手にスイッチが入ったのか、とにかくパッと切り替わってしまうわけです。
安心できたのはトイレだけ
学校に行くのが嫌でほぼ家にいましたが、実は、家にいるのも嫌でした。その日のママによって変わるから、毎日、賭けに出ていたようなものです。今日のママは、どうなのか。ひどい時は永遠に愚痴、そして私への八つ当たり。
言うことが結構、コロコロ変わるんです。たとえば、こんな話をママにしたとします。
「前に話していた、かっこいい人から連絡が来てさー」
ママは、「いいじゃん、その人と遊びなよ」って言ったり、「遊んじゃダメだよ」って言ったり。3分前に話していたことと、真逆のことを言い出すわけです。1か月ぐらい経って、思考回路が変わったのならわかるんですけど、3分ですよ。
だから、相談事はしないようにしています。何を考えているのか、わからないから。
私、小学生の頃から、家の中で安心できたのはトイレしか、なかったんです。いつ、ママにスイッチが入ってしまうかわからないから、怖くてビクビクしていて、私には逃げ場がなくて、何か、拠りどころになるものもなくて……。パパは基本、何の役にも立ちません。部屋にいても、ママが入ってくるし、そのママがどんなママかもわからないし、トイレだけ、ママが入ってこないから、トイレはすっごく好きでした。お風呂場もダメです。ママが、「夢ちゃん、夢ちゃん」って入ってくるから。
今ならバイト先もあるし、友達もいるのでいいのですが、中学生までの私には何もなかったから、あの家ではトイレにいる時しか、安心はなかったんです。
ママの中に何人いるかわかりませんが、主人格はママとしても、別人格で子どもがいます。
ママの幼少期って、こんなかなっていう。ママは幼少期に甘えられなかったから、甘えっ子の、駄々っ子がいます。喋り方も、子どもみたいになって。それと、先ほど話した、意味がわからない料理を作る、めっちゃ料理をする人。
人間って、たとえ怒ったとしても、「そうなったのには意味があるね、ごめんね」まで、怒りの中にも幅広い感情をあわせ持つものじゃないですか。それが、ママにはできないんです。