レインボーのウィッグを付けたビキニ姿の男性館長がお出迎えし、「入館からわずか5分で来場者が精神崩壊する」と言われる博物館が、都内からそう遠くない場所にあるのをご存じだろうか。静岡県伊東市にある「まぼろし博覧会」だ。『珍パク 関東近郊マニアック博物館の世界』(大関 直樹著、山と渓谷社)より一部抜粋し、同博物館の展示物や思想を紹介する。ゴールデンウイークのお出かけ先候補にもうってつけだ。

静岡県にある珍パクが「まぼろし博覧会」だ(公式HPより引用)

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「設定年齢7歳」のビキニ男性が館長を務める博物館

「入って5分で精神崩壊する遊園地」「キモかわいい楽園」「日本最高峰のディープスポット」など、数々の異名をもつ私設博物館「まぼろし博覧会」。東京ドームのグラウンドと、ほぼ同じ広さという敷地内には、怪しいオブジェ、昭和レトロなおもちゃ、朽ちた動物の剥製など、古今東西の珍品が所狭しと並んでいる。園内は「大仏殿」「まぼろし神社」「ほろ酔い横丁」など、いくつかのエリアに分かれているが、無秩序に置かれた展示物が放つカオスなオーラは、実際に足を踏み入れなければわからない。

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 このB級スポットの聖地ともいえる「まぼろし博覧会」は、2011(平成23)年の開園以来、サブカル好きの心を鷲掴みにし、日本はもちろん世界中から年間4~5万人が訪れるという。メディアでの露出も多く、2022(令和4)年にNHKの番組『ドキュメント72時間』に取り上げられたことをきっかけに、さらに人気が爆発。同番組の年間ベスト10では第5位に選ばれた。

 そして、この館長を務めているのが、設定年齢7歳のセーラちゃんだ。取材当日はレインボーのウイッグをつけ、小麦色に焼けたスレンダーな肢体をビキニで包んだ姿で迎えてくれた。 実は、セーラちゃんは館長のほかにも、東京の出版社社長というもうひとつの顔をもっている。