吉野家が「第3の柱」として期待するメニューとは?

 吉野家ホールディングスは5月、「はなまる」やカレーうどん専門店「千吉」の社長を歴任した成瀬哲也氏が新社長に就任する。成瀬氏は現社長の河村泰貴よりも1歳年上で「企業の若返り」というよりも「多角化の推進」が重視された人事になったといえそうだ。牛丼以外の業態を知っている成瀬氏の手腕で業態の多角化を進めるとみられる。

 今後、吉野家ホールディングスがさらに力を入れようとしているのが「ラーメン」である。2024年、京都のラーメン店「キラメキノトリ」などを運営するキラメキノ未来を買収すると発表(2025年1月に完全子会社化)。同年にはラーメン関連の商品製造を行う宝産業も買収しており、旺盛に投資している。

 中小ラーメン店は、物価高や人件費高騰のあおりを受けて倒産が相次いでおり、厳しい状況にある店も多い。これを追い風に、ラーメン店のM&Aを進めて「第3の柱」としてラーメン業態を完成させるのだろう。

ADVERTISEMENT

 ただ、ラーメン市場は他企業のM&Aも進んでおり、個人店の種類も多い。かなりのレッドオーシャンであることは間違いない。足元の吉野家で経営がふらつく中、こうした多角的な経営は成功するのか。「はやい」「やすい」を脱ぎ捨てて「うまい」に走る吉野家の今後に注目したい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

次のページ 写真ページはこちら