「新しい車両」といわれても違和感ナシ?

 車内で大きく変わったところは座席だ。車両の端の座席について、小田急時代は4席掛けだった。ここを西武鉄道は3席にし、そのために座席の凹みを変更。だから座面の素材も7人掛け席とは異なっている。優先席の4人掛け席はタテのポールが中間に配置されていた。立ち座りのサポート役であると同時に、2人ずつ分けるような配置で、4人掛けを意識させていたわけだ。ここを3人掛けとするために、立ち客用のパイプの位置も変更している。荷棚の端を見ると、元のパイプ取り付け部の跡が残る。

4人掛けから3人掛けになった車端部座席。ちょっとだけ広いのでおトク感があるかも?(筆者撮影)
ポールの位置を1:2に変更した優先席(筆者撮影)
小田急時代のポール留め跡が残っている(筆者撮影)

 蛍光灯部には監視カメラを設置した。これは近年の車両更新ではよくある。このほか、荷棚上の広告サイズも異なるため、西武鉄道用に取り付け治具を追加した。

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 すっかり西武鉄道仕様になったため、事情を知らない国分寺線のお客さんは「新しい電車になったな、また池袋線や新宿線から回ってきたのかな」と思うだろう。これが小田急電鉄から来た電車なんて、鉄道に詳しい人でなければわからない。それこそ西武鉄道の意図だ。この電車は西武鉄道の8000系である。それでいいのだ。