Rose「だからそのお礼を布施がやらなあかんねん。せっかく世界戦ができるラグビー場があるんだからね」

 

 布施は地元の人たちを対象にしたカラオケバーが多いため、音楽バーは特殊な存在でもある。そのため今後は、新しい世代をつかんでいくことも考えていかなければいけないともおっしゃる。

Kozy「味園で、うちの隣の隣の隣でファミコンバーがあったでしょ。あそこに勤めてた女の子が近くで店やっとんねん。とかね、そんなんがあるんで。ちょっとずつね、地元の人たちをつかんでいかなあかんなあと。いうても、ウィークデーは暇ですよ、火水木は。でも、ちっちゃく商売、なんとか食べていけたらええと思って。安うなった分、そんな儲かれへんけど」

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 つまり、勝負はこれからだ。

Kozy「これからやね。あと何年生きられるかわからへんけど、とりあえず死ぬまでは(笑)」

「始まるのは大事やから、これからは」

 さて、話を巻き戻すが、味園の最後の夜はどうだっただろう?

Kozy「できるだけウイスキー減らしたかったんで、最後3日間は3000円飲み放題でやったんですよ。すごい入りましたね。3000円の酒、3000円で飲み放題やねんけど、ハイボールばっかり飲むやつとかな。けっこうええ酒も全部飲み放題にしたんですけど。そやからええ酒飲んだらええのにねえ。だって3000円のお酒2杯飲んだら元取れるやんなあ」

 いい最終日を迎えられたようだが、ムヤニーさんと同じ思いはお持ちのようだ。

Kozy「あそこは味園ビルやから、独特の流れがあって、一見さんも珍しがって。で、最後はほら、閉まるっていうのであんなにいっぱいというのもあったけども。だからもう散り散りばらばらになっちゃうと、もう全然違うから。自分が持ってるお客さんだけになるから」

 やはり味園のような空間は、もう現れないのかもしれない。

ZZ BARの入口

Kozy「味園におったらさ、普通の人ですよ、俺(笑)。この前マスターがみんな集まってさ。そしたらもうみんな、変なやつばっかりやん。普通におったら僕も変なやつやけどな(笑)。でも、あそこにおったら単なる普通の人。ぐらい、ちょっと特殊やったね。味園ビルはみんな、アングラやら、マニアックな人たちが多くて。それはそれでおもしろいからみんな集まってきとったわけで」

 とはいえ、これからにかける思いも大きい。

Kozy「(終わるのは)仕方ないからねえ、いろいろと。最後はね。もうええか、終わるしとかって。もう18年やったし。ねえ。でも、布施でまた始まったし。始まるのは大事やから、これからは。去年70で古希になりましたけど、なにもかも新鮮でね。この年になってワクワクは」

INFORMATION

深夜喫茶銭ゲバ
大阪市中央区日本橋1-20-9ジョートウビル(上東ビル)2F
19時くらいから

ZZ BAR
東大阪市足代新町3-12 K’s Spotビル2F
18時~24時 不定休

(写真=印南敦史)

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