カウンセラーとして夫婦関係の再構築をサポートしている、九州在住の碧子さん(36)。かつては自身も夫のキャバクラ通いや不倫に悩み、離婚を切り出されるも拒否し続けた経験があるという。

 27歳の時に結婚し、夫の実家がある関東で2人暮らしを始めるが、3年後に夫のキャバクラ通いが発覚。泣いて責め続けると、夫は「離婚したい」と言い残して家を出ていってしまったという。そこから、碧子さんにとっては長い苦悩の日々が始まる――。(全3回の2回目/続きを読む

カウンセラー・碧子さん 本人提供

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結婚3年後の別居

 夫は、「落ち着いたら連絡して」と言い残して去った。

 夫と夫の荷物が消え去った家に1人残された碧子さんは、眠れない、食べられない日々が続いた。

 10月に碧子さんの妹の結婚式があったが、夫は姿を見せなかった。

 12月になり、「そろそろ一度話そう」という連絡が夫から入った。

 年末にカフェで会うと、夫の「離婚したい」という気持ちは変わってはいなかった。

 その後は月1回のペースで話し合いの場を設けたが、夫の離婚催促は激しくなる一方。しかし碧子さんは首を縦に振らなかった。

「私たち夫婦は、いつも私が問題提起をしていました。しかし夫はただ謝るばかりで、状況の改善はなされません。このことは『私の意見や気持ちは夫には通じない』という諦めに繋がり、次第に私が一方的に怒るだけのコミュニケーションになっていきました」

 碧子さんと夫は、結婚前提で同棲をし始めた時から家事のことで揉めていた。夫が自発的に家事をすることは料理以外にはなく、中でも、綺麗好きな碧子さんに対し、散らかっていても苦にならない夫との掃除の頻度が最も合わなかった。自ずと碧子さんの家事負担が大きくなり、次第に不満を溜め、夫に文句を言う機会が増えていった。

「私が掃除をお願いすると、夫は毎度低姿勢で『気づかなくてごめん、言われたらできるから言ってね』と言ってくれていました。『そうか、伝えたら良いのか』と理解した私は、お願いするようにしました。しかしほどなくして、それさえも苦痛に感じるようになりました」