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まさに幻の滝…
深い谷底に位置する乙姫滝は、左右から岩がせり出し、隠れるように存在している。落差20メートルの隠れた滝は神秘的で、まさに幻の滝そのものだった。
7時間に及ぶ苦闘が報われる絶景だったが、余韻に浸っている余裕はなかった。既に暗闇が迫っている。急いで撤収を開始したが、林道に戻った頃には真っ暗になっていた。
後日、所有者の男性にお礼を伝えに行くと、あのあと滝まで行けたことに驚いていた。
その後、ご近所の女性にも乙姫滝の話を聞いたところ、「私の家に乙姫滝の絵があるから、よかったら見て行って」と思わぬ展開になった。
せっかくなので家に上げていただくと、確かに素晴らしい油絵の乙姫滝が飾られていた。入手に至った経緯などをお聞きし、招き入れていただいたことを感謝して帰路についた。
幻の滝が見られたことに大満足していたが、素敵な出会いも重なり、とても印象深い滝となった。本巣市唯一の名勝でありながらも誰にも知られていない幻の滝は、昔は多くの人に愛される滝だった。
こうした滝が今も存在していることを、私は少しでも長く記憶に留め、多くの人に伝えていきたいと思った。
※乙姫滝周辺は私有地であり、無断で立ち入ることはできません。また、危険を伴うため実際に訪問することは推奨できません。




