有名割烹の料理長に、「ここで働かせてください」と直談判

――足掛け3年の住み込み修業が終わったあと、東京へ?

リカルド 「六雁(むつかり)」です。銀座の割烹。カウンターの仕事がやりたかった。

ミオ リカルドの最終的なゴールは、カウンターでお客さんと対面して仕事をする小さなお店だったので、当初から調理師協会の会長さんにも相談していたんです。ただ小さい店だとすでにスタッフがいらして、なかなかうまくいかなくて。

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 それで、当時“スーパー割烹“として紹介されていた「六雁」の記事を私が見つけて、予約をして食べにいったら、ものすごく活気のある雰囲気のなかで、若い料理人さんたちが目の前で料理をつくるようすにリカルドが感動してしまって。食事後に、料理長の秋山(能久)さんに直接、「ここで働かせてください」ってお願いしたら、秋山さんはリカルドの目をぐっと見て、「いいよ」って。

――リカルドさんがご自分でお願いされたのですか?

リカルド はい、そうです(きっぱり)。

ミオ じつはその前に、銀座に本店がある「鮨 かねさか」での研修が決まっていて、まず3カ月間は丸の内の「パレスホテル東京店」で江戸前鮨を。そのあと、「六雁」で2年ほどお世話になったのですが、「六雁」というお店はちょっと独特で、講習が多いんです。

 

――講習?

ミオ 日本料理の歴史、技術講習、郷土料理のこと、それから茶道のお稽古が月2回。日本料理をやるならば、お茶の作法は絶対に知っておくべきだという考え方をちゃんと実践されていて。

 それで、私もサービス兼リカルドの“コミュニケーション補助役”として一緒に働くことに。

 

――ご一緒に働かれていたんですか。