怪物ルーキーの心を動かした「2人の大投手」
じつはデビュー直前、僕、桑田さんに会いに行ってるんです。ビデオでフォームをチェックしてもらって、アドバイスをもらいました。確か、ヒザの割れを指摘されたんじゃなかったかな。僕、左ヒザが割れることがあって、そうならないよう内に内に、という意識が強くなるあまり、インステップすることがあったんです。
もともとはインステップするような投げ方じゃなかったので、左ヒザのことを意識しすぎると踏み出すポイントがずれて、体勢が崩れてしまう。でも桑田さんは、インステップなんて関係ない、気にすることなく思い切り投げればいい、と言ってくれました。「1年目はがむしゃらにやること、そうすれば自分の力が見えてくる」という言葉もよく覚えています。
もうひとつ、ブルペンで東尾さんに言ってもらった言葉も忘れられません。東尾さんは「ミットを突き抜けるイメージを持て」ということを言ってくれました。「大輔はキャッチャーミットまでで終わってる」と言われて、なるほどな、と思いました。
それは東尾さんの言葉の中でも、とくに強く印象に残っています。僕は現役を辞めるまでずっと、そういうストレートを投げなきゃいけないと、そのイメージを持ち続けてきました。あの言葉を聞いていなかったら、プロ初登板のときの片岡(篤史)さんから三振を奪った、ああいう球は投げられなかったかもしれません。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。