『ハート・ロッカー』や『ボーン・レガシー』、『アベンジャーズ』シリーズで知られるアクション・スター、レナーの新境地との呼び声も高いのが、新作『ウインド・リバー』。レナーほどの売れっ子の心をとらえたのは、『ボーダーライン』で脚光を浴びた脚本家兼監督、テイラー・シェリダンだ。
「テイラーはほれぼれするほどIQの高い男だ。でもそれだけじゃなく、ガッツがあって芯が通っている。この役を引き受けるよう俺を説得するため、半日もかけて車を運転して会いに来てくれた。差別を描いた今日的なテーマも素晴らしいと思ったが、何より彼のハートにやられた」
ネイティブ・アメリカンの保留地で次々と起こる殺人事件にFBIから新米女性捜査官が派遣され、レナー扮する土地勘のあるハンターが協力する。ネイティブ・アメリカンと結婚して生まれた彼の娘もまた、命を落としていた。暴力が蔓延する荒廃した保留地の姿はショッキングだ。
「俺にも幼い娘がいるから、この主人公のことは人ごとと思えなかった。アメリカには今もひどい環境での暮らしを強いられているネイティブ・アメリカンが沢山いることを、この映画を通して学んだ」
強面(こわもて)にふと、柔らかい親の横顔がのぞいた。
INFORMATION
『ウインド・リバー』
7月27日より公開
http://wind-river.jp/