――なるほど。でも実際はその形ではなくなった。
藤井 そうなんですよ。本当は第1話でクロちゃんが脱出しました、第2話でトム・ブラウンがお菓子の家から出られました……みたいにしようかなと思ってたんですけど、ちょっとそれだと一個一個が弱く見えちゃって。だったら最初からカットバックで同時進行にするかなと。
過去2作とは大きく違う“仕掛け”を用意
――複数の部屋を交互に見せるやり方ですね。見ていてすごく臨場感というか、ドキドキ感がありました。『大脱出』第1弾が好評で、2へと続いて……映画でも2が名作と言われる作品が多い気がしますが、今回「3の壁」みたいなプレッシャーは感じていましたか。
藤井 そうですね。3どうなんですかね(笑)。でも、やっぱり2のほうが面白かった気がしないでもないし。どうですか?
――3面白かったです(笑)。なんていうか、子どもが見ても大丈夫というか。何でだろ、クロちゃんが縦に埋まってるからかな。
藤井 (笑)。2である程度整った感じはしたので、3で違う味のものを足さないとやる意味がないとは思いました。前作とは大きく違う仕掛けがあるんですけど、あれはそういうことで作りましたね。作品全体として超えるというよりは、ある部分でも超えておかないといけない、何かしらの要素は新しくなっていなきゃいけないので。
出演する芸人はどうやって決める?
――『水曜日のダウンタウン』もそうですが、『大脱出』も絶妙に面白い動きをしてくれる芸人さんが出ているように思います。藤井さんの中でどういう芸人をキャスティングするかというのは、なにか基準があるのでしょうか。
藤井 別に言語化して「これこれこういう芸人」ということはないです。ただ、こういうことをやられて面白くなる人とならない人は当然居るので、そこは想定しつつですけど。こういう基準がありますとかっていうことではないです。
――これは見終わってから気づいたのですが、『大脱出』では芸人同士の上下関係がものすごく薄いように感じて。あの企画で2人組のなかに上下関係があると視聴者はちょっと苦しくなっちゃうんじゃないかなと思ったので、そこもさすがだなと。
藤井 もちろん(上下関係は)細かくはあると思うんですけど。確かにわりとある種同世代の人たちというか、仲間意識というか、先輩と後輩が混ざっているというよりはそういう感じかもしれないです。
そんなに強くは意識してないけれど、ある種の空気感がいいメンバー。仲良しこよしとも違うんですけど、集まった時に会話が回ったりとか、面白くなりそうなメンバーだなというのはある程度考慮はしています。



