芸人は藤井健太郎のことをどう思っているのか

――ご本人に聞くことじゃないかもしれないですけど、芸人さんは藤井さんのことをどういうふうに思っているんですかね。

藤井 どう思ってるんですかね(笑)。

――以前のインタビューでは、『水曜日のダウンタウン』で自分はロケに行かないので、芸人さんと会うこともほとんどないと。だから、相当ひどい人間だと思われているんじゃないか、みたいなお話されてました。

ADVERTISEMENT

藤井 どうなんですかね。難しいですよね(笑)。

――芸人さんとコミュニケーションを取りながら番組を作るタイプの演出家の方もいらっしゃると思うんですけれども、藤井さんはそこは一貫して距離を取っているように感じます。

藤井 別にそんなつもりもないですけど。ただ、こういう内容の場合はあんまりコミュニケーションを取る必要がないというか。親しいことがメリットにならないですもんね。

――なれ合うと面白くなくなってしまう。

藤井 というか、別に親しくなって面白くなる類のものではないというか。マイナスというより、プラスがないということです。別にプラスになることがない。

「ルールとかシステムを作るのは好きですね」

――今回ちょっと大きなテーマとしてお聞きしたかったのが、藤井さんって人間をどうやって見ているんだろうと。以前元テレ東の佐久間宣行さんと対談された時に、佐久間さんが藤井さんの手掛ける番組について「ルールの設定が美しい」「整合性があるというか」とおっしゃっていて、私も本当にそうだなと思ったんですけれども、美しく整合性の取れているシステムに人間という変数nを入れ込みますよね。

藤井 そうですね。ルールとかシステムを作るのは好きですね。

――ポンと投げ込んだ人間によってシステムが壊されるのは嫌ではないですか?

藤井 それは別にいいんじゃないですか。でも、そもそものルールがちゃんとしてないものはあんまり好きじゃないかもしれないですね。そこがしっかりしてないと、脱線した時が面白くないなとは思います。

 

写真=山元茂樹/文藝春秋

次の記事に続く 「別に会社員は嫌いじゃない」『水ダウ』『大脱出』を手がける人気演出家・藤井健太郎がサラリーマンを続ける“シンプルな理由”

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。