「なんで私が週刊誌に?」
憧れの大手出版社に入社し、PR誌の編集部で充実した日々を送っていた日向子が、週刊誌「週刊千石」事件班への異動を命じられた。つい1年半前まで地方の普通の女子大生だったのに、突如、事件取材の最前線に立つことに――。
週刊誌のリアルを描いて話題を呼んだ大崎梢著『スクープのたまご』(文春文庫)が、このたびドラマ化される。主人公の日向子を演じるのは、昨年AmazonプライムのCM「ラーメンプログラマー篇」でも注目を集めた、注目の新鋭・奥山葵さんだ。
「週刊誌記者と聞いて最初は驚いたんですけど、原作がとても面白くて、数時間で読み終えてしまいました。私が演じる日向子はすごく好奇心旺盛で、気になったこととか疑問に思ったことを自分の言葉で質問するタイプ。知りたいことに向かってまっすぐ迫っていくエネルギーがあり、魅力にあふれているので、私も全力で演じていきたいと思っています」
突然、予想外の部署に放り込まれた日向子と、役者の世界に飛び込んだ自身の経験が、重なるところもあると奥山さんは語る。
「私も、夢を追いかけて、夢中で俳優の養成所に入ったあとで、『えっ、俳優ってたくさん喋んなきゃいけないんだ』『こんなに人に見られる仕事なんだ』って気付いて、どうしようと思ったおぼえがあります。だから、日向子がまっさらの仕事に懸命に取り組む姿には、共感するし、応援したくなりますね」
役作りのため、実際に「週刊文春」編集部を訪れた奥山さん。記者経験豊富な女性デスク(編集長の補佐役)に“直撃取材”し、感銘を受けたという。
「週刊誌で働いている人って、もっとギラギラした、怖い人だと思っていたんですけど、デスクの方はすごく素敵で、親しみやすくて、とても芯のある働く女性でした(笑)。そのギャップに思わず驚いてしまいました。
でも、普通の目線をもった方が、真剣に、悩みながらお仕事されてるんだとわかって、週刊誌って本当に普通の方々がつくってるんだなと実感できました。
印象に残ったのは、記者は『スクープを取ってやろう』というよりも、むしろ『自分が面白いと思う話をみんなに知ってほしい』という気持ちで働いているんだとうかがったこと。自分が『面白い』『伝えたい』と思うことを突き詰めて取材していくからこそ、やりがいがあるし、責任ももてると」
絶対に無理!……と怯えつつ「週刊千石」編集部に異動した日向子を待ち受けるのは、芸能スキャンダルや、横領、不審死事件など過酷な現場ばかり。
取材先の関係者から「おまえらの存在意義って何?」「人の人生、壊して楽しいか?」と問われた日向子は思わず絶句する。なぜなら日向子自身が、心の中ではまったく同じことを感じていたからだ。
「週刊誌の存在意義については、私もまだはっきりとはわかりません。人を傷つけちゃダメだけど、自分が正しいと思うことは伝えなきゃと思うし……。まさに日向子と同じように、悩みながら、考えながら、演じていますね。視聴者のみなさんも、日向子と一緒に、『どうしよう、どうしよう』と感じながら見ていただけたらと思います。最初は『えーっ? 週刊誌?』と思っていた方も、きっと『頑張れ!』と、日向子を応援したくなるはず」
おくやまあおい/1999年生まれ。映画「ハリー・ポッター」シリーズへの出演を目標に女優を志し、演劇学校アップスアカデミーに入学。在学中、NetflixとイギリスBBCが制作するオリジナルドラマシリーズ「Giri / Haji」に出演。
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ドラマ『スクープのたまご』
TBS系ドラマストリーム
10月7日(火)放送開始 毎週火曜深夜0:58~
※一部地域をのぞく。放送時間変更の場合あり
https://www.tbs.co.jp/scoopnotamago_tbs/




