――活動期間は。
彦摩呂 2年半ぐらいですかね。短かったです。「鶴ちゃん、邦ちゃんが稼いだ金を、幕末で使ったわ」って、よく社長が言ってました(笑)。
――活動中にケンカすることはありましたか。
彦摩呂 しょっちゅうでしたよ。TBSの控室でボロクソのケンカになったことがあって、あんまり激しくやりあってるから事務所の部長が飛び込んできて「おまえら、なにケンカしとんねん、コラ~!」「これから売っていこう思って呼んどるのに、ここでケンカしてる場合か! 解散せえ、ボケ! お前らなんか知るか!」いうて(笑)。
松方弘樹さんがカバンの中から茶封筒を出して…
――解散ではなく、それぞれが活動するようになってバラバラになった感じでしょうか。
彦摩呂 そうです。僕がいちばん最初に映画デビューしたんですよ。『冬物語』っていう、原秀則さんの漫画が原作の青春映画。東宝シンデレラの審査員特別賞を取った水野真紀ちゃん、宮崎ますみちゃんと、山本陽一君と共演させてもらって。
たまたま監督の倉内均さんが下北沢駅前劇場のライブを見て、「彼がいい。彦摩呂を使いたい」と言ってくれて、即現場に入って撮りました。
――そこから映画やドラマに出るようになったと。共演した俳優で印象に残っている方はいますか。
彦摩呂 『刑事貴族』でご一緒させていただいた松方(弘樹)さんは、とにかく面倒見のよい方でしたね。
宍戸開と田中実と、僕の3人が同い年でレギュラーで、東宝の撮影所で「今日、どうする? 成城で飲む?」「あそこの焼き鳥屋行こうよ」とか喋ってたら、松方さんがちょうど僕らの後ろを通ったんですよ。
松方さんから「なんだ、おまえたち。飲みに行くのか。なら、ちょっとおいで」って呼ばれて、お付きの人に「おい、カバン」って、カバンの中から茶封筒をパッと出して「これで飲んでこい」と。
「えーっ、いいんですか?」「おお、行ってこい、行ってこい」って、茶封筒を開けたら「ウワー」ってなりました。
写真=三宅史郎/文藝春秋
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