販促に力を入れ直し店舗の売り上げが2倍に

2021年には、居抜きのままスタートした店舗を全面リニューアル。ところが、店舗の売り上げを伸ばすどころか半減する事態となった。

「リニューアルに合わせて、いわゆる街のケーキ屋さんの商品からカップケーキにすべて変えたんですよ。店舗を改装して再スタートを切ったのに、売り上げがガクンと下がってしまいました」

原因を問うと「自分の熱量が店舗に乗らなかったせいかな」と小澤さん。このころにはコンサル事業とOEM事業で年商4500万円を達成していたため、店舗には力を入れなくてもいいだろうと考えていた。その結果、店舗と商品のリニューアルについては業者に丸投げ状態。店舗の売り上げが下がっても、立て直そうという気持ちにならなかったという。

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転機が訪れたのは2022年。スイーツスタンダードのさらなる成長を求め、小澤さんは自分の弱点であるセールスマーケティングのコンサルを受けることにした。担当者から「せっかくお店があるんだから、ちゃんと運営しましょうよ」とアドバイスされ、もう一度力を入れ直すことにした。

まずは商品をカップケーキから今までのケーキや焼き菓子に戻し、小澤さんが不在でも営業できるようにパティシエを採用した。さらにお客さんに来店してもらう機会を増やすため、プレゼント企画や新商品のお披露目会など毎月1回以上のペースでイベントを開催。

白砂糖と添加物を使用していない点のアピールや、LINE登録の促進、Instagramの投稿など「ほかのパティスリーが当たり前のようにおこなっている活動」を自店舗でも取り組んだ結果、半減した売り上げを戻しつつ、2023年には前年比2倍の1200万円に伸ばした。2025年度は2300万円で着地見込みだという。

「リピーターも増え、店舗の売り上げが増えてキャッシュフローもよくなっていきました。資金に余裕が生まれたおかげで、新たな投資をしながら事業拡大路線に移行できるようになりましたね」