「たとえば最初にお手伝いした四万十ドラマさんでは、商品の大ヒットで原料の収穫が追いつかなくなり、今では会社で畑を借り上げて栗や芋を栽培しています。地域に雇用も生まれ、当初から思い描いていた“地域経済にインパクトをもたらすスイーツビジネス”を実現できました」

スイーツスタンダードが目指していたのは、“街のケーキ屋さん”ではなかった。地方に埋もれた素材を商品に変え、経済に変え、人の雇用に変えることだ。

「商品の付加価値を生み出せたら。『こんなOEM先があったらいいよね』という声に応えられるファクトリーにしていきたいです」

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小さなパティスリーの奥では、今日も変わらず甘い香りが立ちのぼっている。

山本 ヨウコ(やまもと・ようこ)
フリーライター
1978年生まれ、千葉県在住。人材業界での勤務を経て、2016年から地域情報誌の編集・ライターとして活動。2020年に独立。現在は生き方や働き方、キャリアに関するインタビュー記事を中心に、Webや雑誌、書籍、企業のオンドメディアなどで幅広く執筆中。誰かの行動のきっかけになるような記事を生み出すため、日々取材をおこなっている。
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