「つくって終わり」ではない
小澤さんはコンサルで素材の課題や販路の悩みを聞き出し、必要であればOEMで商品の製造を引き受けるという臨機応変なスタイルをとっている。
とくに地域の案件に関しては「最初から“つくって終わり”ではなく、“どうすれば売れるか”までを考えています。地域に雇用を生むというゴールに向けてお手伝いするのがうちのスタンス」というように、“伴走型OEM”が紹介で広がっている。
「社長ひとりや家族で経営しているような小規模なメーカーからのご相談が多いですね。最近は『ここの会社が困っているから手伝ってあげてくれないか』と、うちを紹介してくれるパターンがすごく増えてます」
現在では、お菓子のサブスクリプションサービスを提供するメーカーを筆頭に、大手製菓メーカーからも商品開発の依頼を受けるようになり、コンサル事業とOEM事業の売り上げは着実に伸びている。
コンサルで課題解決に向けた商品設計をおこない、OEMで量産に対応する――開発から製造まで“丸ごと任せられる”体制が、スイーツスタンダードの強みとなっているという。添加物や白砂糖をできるだけ使わない製菓理論に基づいた商品づくりが可能な点や、固定観念にとらわれない自由な発想の商品開発、少量多品種の製造体制も評価されていると小澤さんは考えている。
地域と関わる機会も増加。デザインやマーケティングの専門家とチームを組み、長野県小布施町の「小布施栗モンブラン」や宮城県気仙沼市の「さんまパイ」など、地域の素材を生かしたスイーツをトータルプロデュースしてきた。
素材はあっても加工技術や販路がない地域は多い。その機能を“丸ごと貸し出す”独自のビジネスモデルは、「素材をもつ地方企業」×「企画と製造の伴走」×「販路拡大の支援」の3点セットで、地方発のスイーツビジネスを支えている。
「厨房の奥」からスイーツを変える
スイーツを通して地域の魅力を伝え、地域が抱えるさまざまな課題を解決したい。地域経済にインパクトを生みたいというのが、小澤さんがスイーツスタンダードを立ち上げたときの思いだ。