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ターミナル駅から出発
有田鉄道線の起点、ターミナルだった藤並駅は、特急「くろしお」も停車するJR紀勢本線の中では主要駅のひとつだ。有田川町の玄関口という役割も持つ。
だからなのかどうなのか、相対式2面2線のホームの上には橋上駅舎が覆い被さって立派な構え。1日2往復のローカル私鉄がここから発着していたとはおよそ思えない。
それもそのはずで、2002年に有田鉄道線が廃止されてから藤並駅は大改装。片隅にあった有田鉄道線の乗り場はすっかり消え失せてしまった。20年、短いようで長いのだ。となれば、廃線跡もすっかり町の中に埋没しているのだろうか……。
などと不安に駆られたものの、駅の外に出てみれば杞憂に過ぎなかったことがすぐにわかった。
藤並駅の東口。その駅前広場の北側から、どこからどう見たって廃線跡にしか思えないサインクリングロードがまっすぐ北へと延びているのだ。
クルマを走らせるにはちと狭く、かといって歩道とするには広すぎる。その帯に短したすきに長しといった道幅は、まるで鉄道の廃線跡そのものだ。
このサイクリングロードは、その名も「ポッポみち」。藤並駅前から終点の金屋口駅まで、ほぼ全区間に渡って続いている。
地図いらずで歩ける有田鉄道線の廃線跡。さっそくポッポみちを辿ってみよう。




