前田敦子とのライバル関係
当初は高橋みなみに対抗意識を抱き、選抜総選挙が始まってからは前田敦子がライバルとなった。2009年は大島は2位とはいえ、1位の前田に1000票以上の差をつけられた。続く2010年も投票の途中経過では前田が優位で、大島自身、今回も自分は2位だろうと思っていたという。それだけに《一位と発表されたときは劇的すぎて、何が起こったんだって感じでした》と振り返る(『週刊文春』2011年4月21日号)。総選挙で1位になったのを受け、この年8月にリリースされたシングル「ヘビーローテーション」では大島が初めてシングル表題曲のセンターを務めることになった。
選抜総選挙では、ファンがそれぞれ推すメンバーの順位を上げようと、投票券のついたCDを大量に買い込むなどしたため、世間では批判も上がる一方で、年を追うごとにライトなファン層をも巻き込んで盛り上がっていった。ここまで定着したのは、やはり始まったときに前田と大島というライバル関係が注目されたからこそだろう。
総勢130名で紅白のステージへ
2010年10月リリースのシングル「Beginner」はグループ初のミリオンを達成し、もはやその勢いはとどまるところを知らなかった。大晦日の紅白では「紅白2010 AKB48神曲SP」と題し、「Beginner」「ヘビーローテーション」「ポニーテールとシュシュ」をメドレーで披露した。ステージに結集したのは、姉妹グループのSKE48、この年結成された大阪のNMB48のメンバーも含め総勢130名におよんだ。
AKBのメンバーは自分たちの出番以外にも、大御所歌手のバックダンサーや企画コーナーのため何度となくステージに登場し、4時間の放送中ほぼ出ずっぱりだった。過密スケジュールがたたって、リハーサルでは過労のため倒れて救護室に運ばれるメンバーも出るほどであったという。
出場4回目となる2011年の紅白では、3月に発生した東日本大震災の被災者たちに向けて出場歌手たちがパフォーマンスを通じてエールを送った。
AKB48グループでは震災発生の2日後に「『誰かのために』プロジェクト」を立ち上げ、義援金の募集やチャリティーイベントを皮切りに、5月からはメンバーたちが定期的に被災地を訪ねて支援活動を始めていた。この年の紅白でも、AKBはレコード大賞に輝いた「フライングゲット」と「Everyday、カチューシャ」とともに復興支援ソング「風は吹いている」を披露し、最後は「がんばろう日本!!」という人文字をつくった。ステージに立ったメンバーは210名に達し、最多記録を更新する。



