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「5歳で始めていなければ遅い」シビアな世界
さて、「遅れてきた」とはどういうことなのか。まずはヒロインのいのりについて。Season1の冒頭で、彼女は既に小学5年生になっている。野球やサッカーならその年齢から始めても遅いということはないが、フィギュアは違う。致命的とも言えるくらいに遅すぎるスタートなのだ。
一般的に5歳で始めていなければ遅いと言われている世界で、2月6日に開幕するミラノ冬季五輪に日本代表として出場する坂本花織選手も、オリンピック2連覇の羽生もスケートを始めたのは4歳のときだった。
そんな世界に5年以上も遅れて飛び込んだいのりを、フィギュアを知る人ほど「ありえない」と思う。それなのにいのりは、ぐんぐん成長して地元の大会に出てジャンプまで跳んでしまう。
あまりの成長スピードの速さに思わずツッコんでしまいそうになるが、日本人としてオリンピック2連覇を果たした羽生のほうが、よっぽどフィクションのような存在と言えるかもしれない。
もっとも、羽生は4歳から始めて練習を重ね、技術を磨き、才能を伸ばしていった先でのオリンピック2連覇。だから世界が認めた。だったら、いのりは荒唐無稽なのかというとそうではない。
彼女には、スケートリンクの受付をしているおじさんが面倒を見ている小鳥のために餌となるミミズを集めて渡し、リンクに入れてもらおうとする執念があり、教えてもらったことを地道に練習する情熱があった。
