最初の企画プレゼンは、失笑された

 MLBの中継を見ていると、首元に青いチェーンをぶら下げた観客の熱狂する姿が目に留まった。

「インターネットで調べてみると、どうやら青いチェーンの正体は、ドジャースのロゴがあしらわれたネックレスだとわかって。色々と情報を調べていくうちに、アメリカのラッパー文化があってこの大きいネックレスが受け入れられているんだなと。同じように、ライオンズのワイルド系というか、ある意味での男くささがあるチーム性にもマッチするんじゃないかと思うようになりました」

ホームランを打った選手がホームランセレブレーションの一環として着用するなどして話題となった(球団提供)

 現地の情報をヒアリングし、確かな手応えとともに中村さんは企画会議に臨んだ。しかし、プレゼンを終えると、会議室には笑いが出たものの、商品として「いける!」という雰囲気では全くなかったという。

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「確かに私も、アメリカでゴツい大きさのネックレスが流行していると知った時には、かなり驚かされましたし、それを日本で商品として売るとなると勇気がいりますよね。私自身、この時点では爆発的に売れるとは思っていませんでしたし、『少しでも売り上げに繋がればいいな……』くらいの考えでしたから」

クソデカネックレスの可能性を信じ、めげずに何度もプレゼンを行っていった ©杉山秀樹/文藝春秋

クソデカいネックレスに対し、当初は否定的な意見も

 グッズの企画メンバーは4名。2023年に高橋光成投手が企画を持ち込み実現に至った「チームロンゲ」グッズをはじめ、個性やユーモアを受け入れ、果敢なチャレンジを推進する風土ではあるものの、当初は否定的な意見も少なくなかったそう。

 それでも中村さんは、アメリカの野球ファンがネックレスを身に付け、思い思いに楽しむ様子を盛り込んだ資料を何度も作って思いを伝え、最終的に最小ロットながらも生産の了承を取り付けた。

 そんな中村さんの元に、タイミングよく同じくドジャースの試合を観た新規の取引先から、ネックレスに関する提案が届いた。渡りに船とばかりに話を進めることにして「思い切り目立つ、ライオンズらしさの溢れるグッズ」を目指して、試行錯誤を重ねながら、チェーンの色やチャームのデザインの選定を進めていった。